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第3部   政府の施策
第3章  政府機関などにおける研究活動の推進
5.  創造的研究開発の推進
(1)  国際フロンティア研究システム


(1) 経緯

科学技術は目覚ましい進展を示し社会経済の進歩に寄与してきているが,近年こうした科学技術を支える重要な新知見の出現が停滞しており,科学技術の進展も行き詰まりを迎えつつある。今後の科学技術の発展を維持していくためには,革新技術の源泉となる,より基礎に立ち返った科学的知見の発掘が不可欠である。

また,従来日本は欧米の基礎研究の成果を導入し,これに立脚して社会経済の発展を遂げてきたが,我が国の国際的地位の向上に伴ない,今や追いつき型の行動様式から脱皮して,自ら新たな科学的知見の発掘に先駆的役割を果たし,世界に貢献して行く責務がある。

このため,従来の研究組織体制を超えて多分野の研究者を結集し,国際的に開かれた体制により,21世紀の技術革新の根幹となるような新たな知見の積極的な発掘を目指して,科学技術庁は理化学研究所に,昭和61年10月から,国際フロンティア研究システムを発足させた。

(2) システムの概要

(イ) 組織の概要

国際フロンティア研究システムは,理化学研究所の内部組織であるが,従来とは異なる運営形態をとり,システム長のもとに,2研究分野,7研究チーム体制で研究を実施している( 第3-3-10図 )。

(ロ) 特色

国際フロンティア研究システムは,流動的でかつ国際的にも開かれた体制のもとに以下の特色をもって運営されている。

第3-3-10図 国際フロンティア研究システムの組織図

1) 多分野の研究能力を結集した研究体制
2) 国際的に開かれた研究体制
3) 研究者の流動的体制による長期的研究
4) 若手研究者の積極的活用
5) 実験に裏づけられた新しい知見の開拓
6) 自由闊達な雰囲気の中での独創的な発想を生み出せる場を設ける

なお,クロモソーム,分子素子,生物素子の各研究チームのリーダーは,外国人を登用している。

(ハ) 研究分野

新たな科学的知見の発掘のため,現在国際フロンティア研究システムの研究は以下の2分野で実施されており,昭和62年度の予算として1,535百万円を充当している。

1) 老化プロセスを中心とした動植物の生体ホメオスタシスの研究 21世紀高齢化社会に対応した老化制御,乾燥等多環境に対応できる植物の創出等広範な分野への利用を期待し,動物・植物が自身の生理機能を調節し,常にある正常な状態を逸脱しないよう全体のバランスを保っ機能(生体恒常性維持機能:ホメオスタシス)の仕組みの解明を行う。
2) 新しい機能を持つ物質(フロンティア・マテリアル)の研究分野 新時代の情報科学等の基盤となるフロンティア・マテリアル(新機能素子等)の創出を期待し,細胞,たん白質等の生体分子,高分子,金属等の物質の極微細な状態およびその組合わせにより生ずるさまざまな現象を解明する。


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