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第3部   政府の施策
第1章  我が国の科学技術政策
(7)  政策委員会の主な活動状況


我が国を取り巻く内外の諸情勢が厳しさを増す中で,経済的社会的諸問題解決の鍵として,科学技術の重要性に対する認識が一層高まっており,これに伴い,昭和57年7月の臨時行政調査会基本答申等において科学技術会議の機能強化を求める意見が出されるに至った。

このため,第33回本会議(昭和58年3月)において,科学技術会議における重要事項の適時,的確な処理を行い,機動的かつ弾力的な科学技術政策の展開を図るため,学識経験議員を含む各界の有識者12名(昭和61年5月から14名)で構成される政策委員会が新たに設置され体制の強化が図られた。

政策委員会では,科学技術政策大綱及び科学技術会議第11号答申に盛り込まれた内容の実現に向けて次のような活動を行った。

(イ) 科学技術政策立案のための基礎調査等

政策委員会等における審議・検討に資するため,関係各省庁からの科学技術関係施策の現状についてのヒアリング,産業界,学識経験者等との意見交換を行った。

また,基礎調査小委員会の検討を踏まえて,科学技術振興調整費の活用により新たな学際的研究分野の探索を目的とした,産学官の第一線の研究者による科学技術フォーラムの開催,国立試験研究機関の役割と機能強化の方向等に関する調査研究,国際的な基礎研究プログラム構想の調査分析等を行い,各種政策課題の検討に資するための基礎資料を得た。

(ロ) 重要研究業務の推進調整

国全体として調和のとれた科学技術の発展を図るため,昭和56年度に創設された科学技術振興調整費について,昭和62年4月

○基礎的・先導的科学技術分野の推進を中心とし,物質・材料系科学技術及びライフサイエンスを重点的に推進
○国家的・社会的ニーズの強い研究開発の推進
○国際共同研究の積極的な推進
○国立試験研究機関における基礎的研究の推進
○研究開発の推進方策の検討,研究課題の設定等に必要な調査分析の充実等を基本とした昭和62年度の具体的運用を定めた。

(ハ) 重要政策事項の処理

○昭和63年度科学技術振興に関する重点指針の決定 科学技術政策大綱に示された基本方針を踏まえ,昭和63年度の科学技術振興の重点事項として,基礎的・先導的な科学技術の推進及び創造的人材の充実,国際交流・協力の拡充,科学技術振興基盤の強化及び研究交流の促進の3点を示した「昭和63年度科学技術振興に関する重点指針」を昭和62年7月取りまとめ,その推進を各方面に要請した。
○研究評価 研究開発の効果的推進のためには,研究評価が重要であるので,研究評価小委員会において,科学技術振興調整費で実施した研究課題について,当該研究の成果,目標修正の要否等について調査検討を行うとともに,研究の性格,進展,態様等に応じた適切な研究評価のあり方について審議を行うため,同小委員会の下に研究評価指針策定委員会を設置して,昭和61年5月,研究評価に関する基本的考え方を,また,同年9月,研究評価のための指針を策定した。 更に,同委員会において,大規模な研究開発プロジェクトの評価のための指針の策定等について検討している。
○科学技術と人間及び社会との調和 第11号答申において重要性が指摘されている科学技術と人間及び社会との調和については,ライフサイエンス等の進展が,人間,社会に与える影響とその問題点等についての検討を行うことを目的として,昭和60年7月科学技術会議ライフサイエンス部会の下に,「ライフサイエンスと人間に関する懇談会」を設置して,生物学,医学のみならず,人文,社会科学分野も含めた専門家による審議を行っている。また,その審議状況を中間的にとりまとめ公表した(昭和62年12月)。
○ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム構想 政策委員会は,関係省庁の協力を得て,生体の持っ優れた機能の解明を中心とする基礎研究を国際的に共同して推進しようとするヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム構想について検討を行ってきた。昭和62年6月のベネチアサミットにおいて,それまでの検討結果を踏まえて我が国より本構想を提唱し,日本のイニシアティブを歓迎するとともに,フィージビリティ・スタディの進展について報告を受けることを希望する旨,経済宣言に盛り込まれた。これを受けて,昭和62年11月がら,内外の著名な科学者等がら成るフィージビリティ・スタディ委員会において,同プログラムの事業内容,事業実施体制等について調査,検討を実施し,昭和63年3月に結果を取りまとめた。
○国際問題懇談会 科学技術を巡る国際関係については,経済面を巡る摩擦とも関連し,昨今,その重要性が増している。特に,科学技術協力協定に関し,日米間で交渉が行われるとともに, OECDの場においても「科学技術の国際協力の原則に関するフレームワーク」が議論される等,科学技術を巡る国際対応について我が国としての基本的考え方を取りまとめておく必要性が高まっている。 このようなことから,科学技術会議政策委員会において,政策委員と有識者の懇談を行う場として国際問題懇談会を昭和62年11月に発足させ,先進国との関係を中心とした当面の科学技術を巡る国際問題に関し検討している。
○産学官連携懇談会 科学技術の振興方策の一つとして産学官連携については研究交流促進法の施行(昭和61年11月),「産学官及び外国との研究交流の促進に関連する諸制度の運用に関する基本方針について」(昭和62年3月閣議決定)等により,制度面での整備が図られてきたが,科学技術の重要性に対する認識が高まる中,その一層の充実を図ることが求められている。 このため,科学技術会議政策委員会の下で,昭和63年2月から産学官連携懇談会が開催されており,産学官連携の意義,連携のための今後の方策等について,議論を進めている。

2.科学技術行政体制

1) 科学技術基本政策の企画・立案及び総合調整

我が国の科学技術に関する施策は,基本的には関係行政機関がそれぞれの所掌に基づき策定し実施しているが,それぞれの施策の総合調整を行う場合には内閣総理大臣が総理府の附属機関である科学技術会議に諮問することとなっている。

また科学技術庁は,人文科学のみに係るもの及び大学における研究に係るものを除き,関係行政機関の科学技術に関する事務の総合調整等を行っている。

科学技術会議は,これらの行政機関とは別に昭和34年科学技術政策の最高審議機関として設置され,内閣総理大臣を議長とし科学技術庁長官をはじめ関係大臣及び有識者によって組織されており,科学技術(人文科学のみに係るものを除く)一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立,科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定に関することなどについて内閣総理大臣に答申等を行うこととなっている。同会議は昭和35年に第1号答申「10年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策について」を行って以来,科学技術全般にわたる長期的かつ基本的な計画として,「1970年代における総合科学技術政策の基本について」(第5号答申,昭和46年),「長期的展望に立った総合的科学技術の基本について」(第6号答申,昭和52年),「新たな情勢変化に対応し,長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について」(第11号答申,昭和59年)及び「科学技術政策大綱について」(第12号答申,昭和60年)の答申を行っている。

近年,国全体として調和のとれた総合的科学技術政策の展開が一層重要になってきており,臨時行政調査会の基本答申(昭和57年7月)を踏まえて科学技術政策の主要事項の適時的確な決定に資するよう政策委員会を設置するなど体制の強化を図っている。

また,個別の分野のうち原子力及び宇宙開発については総理府の附属機関である原子力委員会と宇宙開発委員会が各々長期的計画や短期的計画を策定しており,さらに海洋開発分野においても総理府の附属機関である海洋開発審議会が長期計画について答申を行う等個別の重要分野について各種の計画が策定されている。科学技術庁は,これらの計画等に沿って関係行政機関が研究開発を推進するに当たって,大学における研究に係るものを除き,事務の総合調整等を行っている。

2) 研究開発推進体制

我が国の科学技術行政機構について 第3-1-1図 に示す。

第3-1-1図 日本の科学技術行政機構(昭和63年3月31日現在)



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