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第2部   科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
4.  二国間協力活動
(3)  開発途上国との協力


(1) 中国との協力 中国との協力については,1980年5月に「日中科学技術協力協定」が締結され,この協定に基づいて4回の日中科学技術協力委員会が開催されている。 1987年5月東京で開催された第4回日中科学技術協力委員会においては,これまで協力が行われていた海洋,資源等の分野での協力を含め30のプロジェクトについて協力を進めて行くことで合意された。なお,1985年7月に開催された第4回日中閣僚会議から両国の科学技術担当閣僚が参加することになり,科学技術分野の協力についても意見交換が行われた。 また,1973年から農林技術関係の技術交換が開始されたのに続き,国際協力事業団を通じて1978年から鉄道関係の,1979年から経営管理,医療等の分野における技術協力が行われている。さらに,文部省の実施する中国政府派遣研究員の受入れが行われているほか,東京大学宇宙線研究所・中国科学院の高能物理研究所間の日中宇宙線共同観測,東京大学と中国科学技術大学(合肥)との間で工学分野における研究協力,宇宙科学研究所・中国科学院及び上海天文台間の日中大気球共同観測,東京大学地震研究所・中国国家地震局間の日中地震予知共同観測などが行われている。 このほか,日本学術振興会は,1979年から中国科学院,1980年から中国社会科学院,1981年から中国国家教育委員会のそれぞれとの間の覚書に基づく学術分野における研究者交流を行っている。 1983年6月に開催された第3回日中閣僚会議を機に,両国間の原子力の平和利用に関する協力を促進,発展させるべく協定交渉が開始され,6回の協定交渉の後1985年7月31日に協定が署名され,1986年7月10日に発効した。
(2) インドネシアとの協力 インドネシアとの協力については,1981年1月に「日本・インドネシア科学技術協力協定」が締結され,1982年1月同協定に基づき第1回日本・インドネシア科学技術協力協議がジャカルタにおいて開催された。 また,1988年3月には日本原子力研究所とインドネシア原子力庁との間で「研究炉の安全性と利用に関する研究」の実施取極が締結された。また,原子力庁は30MWの多目的研究炉(MPRー30)が完成し,試験運転を行っているところであり,我が国からは中性子回折装置を供与するとともに,この設置,運転に伴う専門家派遣等の人材交流が進められている。
(3) 韓国との協力 韓国との協力については,1968年9月にソウルで開催された第1回日韓科学技術大臣会談が行われて以来,この科学技術大臣会談の下で広範な分野の協力が進められてきた。 1984年9月に全斗埃大統領が訪日した際に,中曽根総理との共同声明の中で科学技術協力協定の締結交渉を開始することが合意された。これを受け,1985年12月に「日韓科学技術協力協定」が締結され,それに基づき1986年8月第1回日韓科学技術協力委員会が開催され,バイオテクノロジー等の先端技術分野を含む各分野での協力が合意された。 また,同年12月の日韓定期閣僚会議の場においても科学技術に関する意見交換が行われた。 原子力の分野においては,昭和60年8月に日本原子力研究所と韓国エネルギー研究所との間に原子力安全性研究分野に関する実施取決が締結され,協力が実施された。
(4) ブラジルとの協力 1985年6月に発効した「日伯科学技術協力協定」に基づく第一回日伯科学技術協力合同委員会が1985年10月にブラジリアにおいて開催され,今後の研究協力に関し,エネルギー,バイオテクノロジー等の関心分野が提案され,日伯両国は各々協力の具体化に向けて検討中である。
(5) インドとの協力 1985年8月に締結された科学技術協力協定に基づく第1回合同委員会が1986年9月デリーで開催され,今後の両国間の研究協力について協議が行われた。
(6) 開発途上国との技術協力等 我が国はこれまで,開発途上国との技術協力,研究協力等を通じて開発途上国の科学技術能力の向上に寄与してきた。 開発途上国にあっては開発途上国の実情に適した技術が開発されることが必要であるが,研究開発支出が少なく,人材の不十分な開発途上国にとって大きな困難が伴うものである。したがって,ピアソン報告,第3次国連開発の10年のための国際開発戦略などにおいて指摘されているように,先進国が開発途上国と協力して,開発途上国の国情,ニーズに合った技術の改良,新技術の開発又は研究開発の推進を目的とする協力を推進することが必要である。 しかし,諸外国の協力実績に比較すると,我が国は,これらの分野における協力をより一層強化すべき状況に置かれている。 まず,技術協力について,実績を資金面からみると,1987年における我が国の技術協力総額は1,687億円であり,1986年の1,430億円年に比べ18.0%,257億円の増加を示した( 第2-4-1図 )。 しかし,政府開発援助に占める二国間技術協力額(行政経費及びNGO(非政府機関)への補助金を除く)の比率は,1986年で経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)諸国平均の20,2%に比べ我が国は10.6%にとどまっている( 第2-4-2図 )。また,DAC諸国による二国間技術協力額は,1986年で我が国は全体の8.1%を占めるが,フランス(26.6%),米国(20.4%),西ドイツ(16.6%)に比べて一段と低い状況にある。 態様別にみると,政府ベース技術協力としては,外務省交付金により国際協力事業団が行う研修員受入れ,専門家派遣,機材供与,右の三要素を有機的に組み合わせたブロジェクト方式の技術協力,開発調査(鉱工業,電力を除く。),青年海外協力隊派遣の他,通商産業省委託費により同事業団が行う海外開発計画調査及び資源開発協力基礎調査がある。
第2-4-1図 我が国の二国間技術協力実績の推移

第2-4-2図 経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)加盟国の二国間技術協力額の政府開発援助額に占める割合

次に,国の行う研究協力についてみると,農林水産省において昭和45年に熱帯農業研究センターを設立し,熱帯及び亜熱帯地域における農林畜産業に関する研究協力を実施している。通商産業省においては,昭和48年度から工業技術院傘下の試験研究機関を活用して,開発途上国に対する鉱工業技術分野での研究協力を中心とした国際産業技術研究事業を行うとともに,民間の活力を積極的に活用しつつ,開発途上国との共同研究を推進するための研究協カプロジェクト推進事業,研究協力推進委託事業及び研究開発協力事業を行っている。昭和51年度がらは,科学技術庁,建設省においても開発途上国との研究協力を進めている。特に,昭和61年度がらは,科学技術庁において原子力研究交流制度により韓国,中国,インドネシア,マしーシア,タイ等の国々と研究者の交流を実施している。また,文部省においては,昭和51年度より日本学術振興会を通じて,開発途上国との間で学術交流を開始し,昭和53年度から拠点大学方式による交流等の開発途上国学術協カ事業を行っている。 民間ベースでは,純民間活動として行う技術協力的事業のほか,関係官庁が(財)国際開発センターへ委託して行う開発計画等に関する調査,厚生省の委託により(財)国際看護交流協会が行う看護婦指導者養成事業,同じく厚生省の委託により(社)国際厚生事業団が行う発展途上国薬事行政専門家養成事業,農林水産省の補助により(社)海外農業開発協会の行う海外農林業開発協力促進事業,(社)海外農業開発コンサルタンツ協会が行う海外農業開発事業事前調査事業,通商産業省の補助により(社)日本プラント協会が行う海外中小企業技術協力事業,同じく通商産業省の補助により(社)海外コンテルティング企業協会が行う海外コンテルティング振興事業,運輸省の補助により(社)海外運輸コンサルタンツ協会が行う運輸に関する海外技術協力振興調査事業,郵政省の補助により(社)海外通信・放送コンテルティング協会が行う海外通信計画調査事業,建設省の委託により(社)国際建設技術協会が行う海外建設計画事前調査事業及び海外建設技術開発事業等がある。 このほか,各種の団体において研修生の受入れ,専門家の派遣に限らずそれぞれの特徴を生かした協力が行われている( 第2-4-3表 )。 また,日本貿易振興会,新技術開発事業団,(社)日本技術士会,(財)特許情報センター,日本商工会議所等でも技術情報の提供,あっせん等に関する活動を行っている。
第2-4-3表 訓練指導に関する主な民間技術協カ団体



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