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第1部   創造的研究環境の確立をめざして
第3章  今後の課題と展望
1.  創造的研究開発推進の強化に向けての諸環境の課題
(2)  研究運営の改善と優れた研究人材の確保


(研究運営)

我が国の技術革新をベースとした経済活力の維持発展のためには,これまでの強力な研究開発推進体制を守りながらも,新たに創造的な基礎的研究の推進のための研究環境の一層の整備が重要である。特にこの研究環境については,国立試験研究機関,産業界等の各部門において,また,国の各機関において,それぞれの役割に応じて,新しい制度,体制を作っていくなどソフト面での改善を行っていく必要があろう。

研究マネジメントについても,国立試験研究機関等においては,組織から,より人に重点を移した方向への改善を図らなければならない。このような研究マネジメントも必ずしも一様なものではなく,それぞれの機関において,特徴に応じたふさわしい形態が考えられよう。その際,組織の弾力性,個人の裁量の拡大などによる研究者にとって比較的自由な研究環境の確保と,研究テーマの選定から成果に至るまでの適切な研究評価の実施がその軸とならなければならない。また,優秀な研究者を,養成面からも,研究管理面からも一層はぐくんでいくような社会的な土壌も今後必要とされるところである。これはまた,研究者自身の意識とも一致するものである。

一方,研究開発のテンポは一層加速し,ますます境界領域や総合領域的な基礎的研究が多くなってこよう。このような時代にあっては,研究者の流動性を確保し,研究ニーズに応じて優れた研究者が適切な研究機会,場所に適時に参加しうるような体制・制度を確立していくことが期待される。

(人材の確保)

我が国のこれまでの技術発展の礎をなしたのは,組織化された多数の優秀な研究人材であることには議論の余地がない。研究人材はここ20年一貫して増加してきたが,昨今,我が国においては,産業界を中心とした研究開発活動の活発化に伴い,質と量の両面において研究人材の不足が目立ってきている。特に,最近は技術重視の企業経営,国全体における基礎的研究強化の動きから,民間企業を中心に質的な面で不足感が出ている。

今後,このような研究人材の需要に適切に対処していく必要があるが,特に基礎的研究においては,組織よりむしろ個人の能力に期待すべきところが大であり,各方面から優れた人材を確保することが喫緊の課題である。この面では,学術研究とともに,人材の養成をその主な任務とする大学への期待は大きい。

なお,理工系大学生等若年層の製造業離れの傾向が指摘されている。今後,優秀な研究人材を十分確保していくために,処遇面での改善,魅力ある研究現場作りも併せて行っていく必要があろう。


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