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第1部   創造的研究環境の確立をめざして
第2章  国際的視野に立った創造的研究環境の整備の推進
3.  科学技術情報活動の新たな展開
(3)  国際的調和をめざした我が国の科学技術情報活動


科学技術情報活動においては特に国際的流通,調和が重要であることから,国際的調和という観点から,論文面での寄与,データベース活動における連携協力及び学会を中心とした研究者や情報の交流に関して見る。

1) 海外において増加する日本の科学技術文献

世界の主要な学会誌に掲載された論文等の数の各国比率については,いくつかの評価データがある。OECDの「Science and Techno1ogy Po1icyOut1ook1988」によると,我が国の論文数の比率は昭和50年代において大幅な増加を示し,OECD諸国の中でほぼ10%を占めるに至っている( 第1-2-66図 )。この増勢は当分の間続くものと考えられ,今後我が国は質の高い研究成果を海外へ発表することにより論文面での国際的寄与を拡大していくこととなろう。

2) データベース活動の国際連携

各国の研究者が国際通信回線を介して各地の有カデータベースにアクセスし,必要な研究情報を得ることは今日一般化しつつある。このような活動を効率的かつ効果的に行うためには中心的な機関におけるデータベースの高品質化,大規模化を図るとともに,これらの機関間の連携協力を行うことが大切である。

第1-2-66図 OECD各国からの論文数の比率

このような観点に立ち,我が国を代表する科学技術情報機関である日本科学技術情報センター(JICST)は,西ドイツエネルギー・物理・数学専門情報センター(FIZ-Karlsruhe)及びケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)との相互乗り入れによる国際科学技術情報ネットワーク(STN International)を構築し,昭和62年11月からサービスを開始した。これにより,我が国の情報を効率的に海外に提供するための有力手段が確保されることとなった。一方,ユーザは一つのデータベース機関にアクセスすることにより,この世界ネットワークを通じて他機関のデータベースも利用することが可能となり,その利便性が著しく向上した。

また,このような動きとも関連してJICSTでは国内文献について,英文のキーワード,標題,抄録を付与したデータベースを作成するなど,国際的にも我が国の情報を流通しやすくするための活動の強化が図られている。

一方,全国の大学をネットワークで結ぶ学術情報システムの中枢機関である学術情報センターにおいても,我が国の研究成果を国際的に流通させ,交流を促進するため, NSFを介して米国のデータベースとの相互接続を計画するなど,国際的な連携の強化が行われている。

このような中核的な情報機関の整備充実とともに,科学技術情報活動の強化のためには,各々の研究機関においても機能強化が不可欠である。それらにおいては,研究成果たる情報を整理し,外部からのアクセスに対して的確な対応ができるよう体制を整備するとともに,自らもネットワークを通じて成果を流通させるような活動を行い,国際的に寄与していくことが期待される。

3) 学会活動の国際化

学会は研究成果の流通,研究交流の場の提供等において科学技術の枢要な情報機関となっている。我が国から海外への科学技術情報の流通が増加し,独創的な研究活動が増加している昨今,我が国に対する海外からの期待も一段と大きくなっている。その情報の発信源である学会に対しては,先進国とともに開発途上国からも国際的な対応が求められるようになっている。

我が国の学会の国際的な交流のための状況を見ると,多くの学会において日本語の論文を流通させるために,英文による標題,著者名,抄録が作成されており,海外に提供するための情報作りがなされている。また,英文による論文誌を海外へも配布しており,中には,応用物理学会や日本物理学会のように日本語より英文の論文が中心となっている学会もある。主要な学会においては外国人の加入は自由であり,会員数はまだ少ないものの増加傾向にある。

特に,最近は学会を中心とした国際会議が増えており,今後,国際交流に大きな役割を果たすことが期待される。このように,多くの学会において一層国際的にも開かれた体制がとられつつあるところである。


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