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第1部   創造的研究環境の確立をめざして
第2章  国際的視野に立った創造的研究環境の整備の推進
2.  研究開発の施設設備の高度化
(3)  国等の施設設備の外部開放利用


創造的基礎的研究,革新的技術シーズの探索等の面では,大学,政府研究機関の役割が非常に大きい。また,これらの機関は,このような機能とともに,重要な研究施設設備をあわせ有することが多いことから,その主要な施設設備の設置と適切な開放利用は重要である。

民間動向調査によれば,民間企業のほとんどが研究開発について外部の施設設備を利用している。利用している施設設備としては大学が最も多く (46%),その他では国内他企業(32%),公立試験研究機関(27%),国立試験研究機関(25%)である。これを民間企業の規模別に見てみると,国内他企業の施設設備を利用しているものは比較的小規模の企業に多いのに対し,国立試験研究機関あるいは大学の施設設備を利用する企業については,資本金が大きくなるにつれ増加する傾向が見られる。国立試験研究機関の施設設備を利用するケースについて見れば,資本金10億円以上50億円未満の企業については全体の16%にすぎないが,資本金100億円以上の企業については約40%となっている( 第1-2-52図 )。

第1-2-52図 民間企業が利用する外部の施設設備

また今後,基礎研究遂行上大型または高価格の施設設備が必要となる場合どのように対応するかを調査したところ,外部の施設設備の利用を考えるとしたものは86%となり,自前で整備すると回答した企業は12%にすぎない。

また,この傾向は企業の規模別に見てもほとんど変化がない。

これまで,民間に期待できない大型研究施設設備については,国が整備を進めてきたところであり,政府研究機関,大学と民間企業との共同研究や技術指導等の形態により国の研究施設設備の利用が進められてきている。また,研究交流促進法等の制定により,民間企業による国の施設設備の廉価使用の途も開かれた。

しかしながら,このような公的機関の施設設備を利用する場合の問題点の指摘も少なくない。その内訳としては,「そもそも開放が限られている」(47%),「手続きが面倒である」(44%)といった点が多い( 第1-2-53図 )。

第1-2-53図 研究施設等の開放利用のうえでの問題点

このうち,前者は,例えば共同研究者に限るといった利用研究者に対する制限を設けている場合に関するものであり,先に述べた共同研究による研究施設設備の外部利用が進む一方で,共同研究者以外の研究者の利用機会が制限される結果になり得ることは今後留意すべき事項であろう。また,研究施設設備の外部利用を進めるうえでは,提供側での受入れ制度の充実とともにオペレーターや保守・管理のマンパワーの充実や運営経費の確保にも配慮しなければならないであろう。

さらに,産・学・官の費用負担のあり方について,適切な受益者負担の導入,民間等の出資による第3セクター方式による運営等を含めて検討ずる必要があろう。昭和63年10月から,新エネルギー・産業技術総合開発機構において,国内外の産業技術に関する研究開発を行う者の共用に供することを目的とし,民間のみでは整備が困難な大規模な研究施設を整備する研究基盤整備事業が開始された。

また,研究施設設備の国際的な開放という観点から,海外の研究者の受入れを推進し,既存の研究施設設備の外国人研究者の利用を円滑化することも必要であるが, 一方,海外の研究者にとっても魅力ある研究施設設備を整備することが重要である。国内においては,例えば,日本原子力研究所は海外の研究者を多数受け入れているが,これは同研究所におけるJT-60を始めとする研究施設の水準が世界のトップレベルであることによる側面も大きいと言えよう。


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