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第3部   政府の施策
第5章  科学技術振興基盤の強化
11.  科学技術関係審議会などの活動状況
(1)  諮問第12号に対する答申


我が国の科学技術政策に関しては,昭和59年11月,科学技術会議が取りまとめた第11号答申「新たな情勢変化に対応し,長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について」があり,今後10年間程度においてとられるべき科学技術振興政策の基本を示している。

従来より,政府はこの第11号答申の内容を実現するため,様々な施策を実施してきたが,昭和60年7月,臨時行政改革推進審議会の「行政改革の推進方策に関する答申」において,今後の我が国の科学技術振興を重点的かつ効率的に推進する政策の大綱を閣議決定すべきことが指摘され,これを踏まえ,内閣総理大臣から科学技術会議に対し,第12号諮問「科学技術政策大綱について」が行われた。

科学技術会議は,昭和60年12月,第11号答申及びその後の科学技術をめぐる状況の変化を踏まえ,第12号答申「科学技術政策大綱について」を内閣総理大臣あて答申した。この第12号答申を受けて,当面の科学技術政策の基本を示すものとして,昭和61年3月28日,「科学技術政策大綱」が閣議決定された。

本答申では,「次代の技術をはぐくむ基礎的研究を中心とする創造性豊かな科学技術の振興」を基本方針として位置づけており,その際,「科学技術と人間及び社会との調和ある発展」,「国際性を重視した科学技術の展開」について十分配慮するものとし,推進体制・推進条件の整備強化方策,重要研究開発分野を示している。


(2) 諮問第13号に対する答申

科学技術会議第11号答申,臨時行政改革推進審議会答申の指摘を踏まえ,国立試験研究機関において,社会的,経済的ニーズの変化に対応し,民間には期待し難い基礎的・先導的な研究開発等を中長期的視点に立って拡充強化し,その活性化を図るため,昭和60年12月に,内閣総理大臣から科学技術会議に対し,第13号諮問「国立試験研究機関の中長期的あり方について」が行われた。これを受け,科学技術会議では,総合計画部会の下に国立試験研究機関分科会を設置して審議を重ね,昭和62年8月,内閣総理大臣あて答申した。

同答申は,国立試験研究機関を取り巻く情勢の変化及び国立試験研究機関が当面する問題点を踏まえ,国立試験研究機関の役割及び役割達成のためのあり方を以下のように示した。

○国立試験研究機関の役割では,特に,国立試験研究機関が新たな技術シーズ等を目ざした基礎的,先導的な研究を推進すること及び国立試験研究機関が国際化し科学技術の面から国際的に貢献することがとりわけ重要な政策課題。

〇国立試験研究機関の役割達成のためのあり方については,以下の諸点を指摘している。

・シーズ創出等基礎的・先導的研究に適した研究マネージメントの確立と研究機関あるいは省庁を越えた研究の推進
・国立試験研究機関の役割及び研究組織の適時的確な見直し。
・所長裁量の発揮,研究評価の実施,研究交流の促進,ライフステージに応じた人事運営等研究運営の改善の実施。
・経費・人員の確保,研究施設,設備等の整備及び研究支援機能の充実についての重点的,効率的な推進並びに研究の推進に係る諸条件の柔軟な運営。


(3) 諮問第14号に対する答申

科学技術政策大綱等の指摘に対応し,物資・材料系科学技術分野において,基礎的・先導的な研究開発の推進に重点を置いて,その研究開発を総合的,計画的かつ効率的に推進するため,昭和61年5月に,内閣総理大臣から科学技術会議に対し,諮問第14号「物質・材料系科学技術に関する研究開発基本計画について」が行われた。

これを受け,科学技術会議では,新たに物質・材料系科学技術部会を設置して審議を重ね,昭和62年8月,内閣総理大臣あて答申を行った。

同答申は,21世紀の人類社会の発展に向けて,その基盤となる物質・材料系科学技術の飛躍的な発展を図るため,特にこの分野における基礎的・先導的な研究開発の推進に重点を置くことを指摘し,重要研究開発目標及びその目標を達成するための推進方策を提示した。


(4) 脳・神経系科学技術推進の基本方策に関する意見,免疫系科学技術推進の基本方策に関する意見,長寿社会対応科学技術推進の基本方策に関する意見

科学技術会議第11号答申において,その推進の必要性が指摘されている長寿社会対応,脳・神経系,免疫系科学技術等の人間系科学技術については,その総合的な推進方策の基本を定めることを目的として,科学技術会議はライフサイエンス部会人間系科学技術分科会の下に検討小委員会を設けて検討を行い,昭和61年5月には「長寿社会対応科学技術推進の基本方策に関する意見」を内閣総理大臣あて意見具申した。

この意見では,急速に到来しつつある長寿社会を真に活力のあるものとすること,今後の科学技術の展開に当たって,人間そのものをより深く理解すること等の科学技術の推進が望まれていることに鑑み,重要研究開発目標を体系的に整理し,かつ,それらの研究活動の推進方策を提言した。

長寿社会対応科学技術における重要研究開発目標については,今後10年程度を展望して,1)高齢者の健康を確保する研究及び2)高齢者の生活と活動を支える総合的研究の2領域に関して研究開発目標を設定した。

さらに,研究開発の推進方策については,基礎的研究の推進等研究推進体制の強化,実験動物の供給等研究支援体制の強化,研究費の充実,若手研究者等の人材の育成・確保,国際協力の推進を図ることが重要であることを指摘した。


(5) 政策委員会の主な活動状況

我が国を取り巻く内外の諸情勢が厳しさを増す中で,経済的社会的諸問題解決の鍵として,科学技術の重要性に対する認識が一層高まっており,これに伴い,昭和57年7月の臨時行政調査会基本答申等において科学技術会議の機能強化を求める意見が出されるに至った。

このため,第33回本会議(昭和58年3月)において,科学技術会議における重要事項の適時,的確な処理を行い,機動的かつ弾力的な科学技術政策の展開を図るため,学識経験議員を含む各界の有識者12名で構成される政策委員会が新たに設置され体制の強化が図られた。

政策委員会では,昭和61年3月に閣議決定された科学技術政策大綱及び昭和59年11月の科学技術会議第11号答申「新たな情勢変化に対応し,長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について」に盛り込まれた内容の実現に向けて次のような活動を行った。


(イ) 科学技術政策立案のための基礎調査等

政策委員会等における審議・検討に資するため,関係各省庁からの科学技術関係施策の現状についてのヒアリング,産業界,学識経験者等との意見交換を行った。

また,基礎調査小委員会の検討を踏まえて,科学技術振興調整費の活用により新たな学際的研究分野の探索を目的とした,産学官の第一線の研究者による科学技術フォーラムの開催,国立試験研究機関の役割と機能強化の方向等に関する調査研究,国際的な基礎研究プログラム構想の調査分析等を行い,各種政策課題の検討に資するための基礎資料を得た。


(ロ) 重要研究業務の推進調整

国全体として調和のとれた科学技術の発展を図るため,昭和56年度に創設された科学技術振興調整費について,昭和61年4月,

〇基礎的・先導的科学技術分野の推進を中心とし,物質・材料系科学技術及びライフサイエンスを重点的に推進
○国家的・社会的ニーズの強い研究開発の推進
〇国際共同研究の積極的推進
〇国立試験研究機関における基礎的研究の推進
〇研究開発の推進方策の検討,研究課題の設定等に必要な調査分析の充実等を基本とした昭和61年度の具体的運用を定めた。

(ハ) 重要政策事項の処理
○昭和61年度科学技術振興に関する重点指針の決定

第11号答申に示された基本的方向を踏まえ,昭和62年度の科学技術振興の重点事項として,基礎的・先導的な研究開発に重点を置いた重要研究開発の推進強化,研究交流の促進,国際交流・協力の拡充,創造的人材の養成と確保,科学技術振興基盤の強化の5点を示した「昭和62年度科学技術振興に関する重点指針」を昭和61年6月取りまとめ,その推進を各方面に要請した。


〇研究評価

研究開発の効果的推進のためには,研究評価が重要であるので,研究評価小委員会において,科学技術振興調整費で実施した研究課題について,当該研究の成果,目標修正の要否等について調査検討を行うとともに,研究の性格,進展,態様等に応じた適切な研究評価のあり方について審議を行うため,同小委員会の下に研究評価指針策定委員会を設置して,昭和61年5月,研究評価に関する基本的考え方を,また,同年9月,研究評価のための指針を策定した。

更に,同委員会において,大規模な研究開発プロジェクトの評価のための指針の策定等について審議を進めている。


〇科学技術と人間及び社会との調和

第11号答申において重要性が指摘されている科学技術と人間及び社会との調和問題について,ライフサイエンス等の進展が,人間,社会に与える影響とその問題点等について検討を行った。


〇ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム構想

政策委員会は,関係省庁の協力を得て,生体の持つ優れた機能の解明を中心とする基礎研究を国際的に共同して推進しようとするヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム構想について検討を行ってきた。これを受けて,昭和61年12月から,国内の関係研究者等から成るフィージビリティ・スタディ委員会において,生体機能に関する内外の研究の動向,重点研究分野等について調査,検討を実施し,昭和62年3月に結果を取りまとめた。


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