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第2部   科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
5.  主要先進国の科学技術政策
(5)  ソ連


 ソ連の科学技術の特徴は,共産党の強大な指導力の下に,科学技術政策の基本方向等が決められている点にある。このような体制下で,ソ連の科学技術は,5年毎に策定される「ソ連経済及び社会発展の基本方向」(通称5ケ年計画と呼ばれ,現在は1986-90年の第12次5ケ年計画)に基づき推進されている。特に,1985年のゴルバチョフ書記長の就任以来,科学技術の推進がソ連の社会・経済発展の原動力として位置付けられ,積極的な施策の展開が図られている。


(研究開発推進体制)

 科学技術政策は共産党の指導の下に閣僚会議において策定され,最高会議により承認される。閣僚会議を補佐する機関として,国全体の経済計画を策定する国家計画委員会と,この枠内で具体的な科学技術計画を策定する科学技術国家委員会がある。実際の研究開発は,各省の付属研究機関で行なわれているほか,一部,高等教育機関でも行われている。また,基礎研究を計画,管理,実施する機関どして,科学アカデミーが設置されている。


(基本方針)

 現在,第12次5ケ年計画に沿って科学技術が推進されており,この中で次のような基本方向が示されている。

1) 科学技術の全面的促進
2) 投資配分政策の転換,資源の最重要方向への集中
3) 生産技術の改善,自動化の推進
4) 工業製品の質の向上
5) 発明,特許・ライセンス制度の改善
6) 科学,技術,生産の統合
7) 基礎科学の発展
8) 体制再建

(研究費,研究人材の現状)

 1986年の科学技術予算は290億ルーブルであるが,予算の内訳は公表されていない。

 1985年度の研究者数は149万人,資格別でみると,博士が4万人,博士候補が46万人,残りがその他となっている。


(科学技術振興施策)

 まず,重点研究開発領域としては,次の5つが掲げられている。

1) 燃料,エネルギー(2000年までの長期エネルギー計画)
2) 食糧生産(2000年までの長期食糧生産計画)
3) 生産関連技術-エレクトロニクス,原子力,オートメーション,新材料,バイオテクノロジー,省エネルギー省資源一(2000年までのコメコン諸国科学技術総合計画等)
4) 宇宙開発
5) 基礎科学

 このうち,宇宙開発については,ソ連の指導力,地位の向上に大きく貢献するものとして,特に積極的な研究開発が進められている。

 次に外国との科学技術協力については,アメリカ,フランス,イギリス等,数10の政府間協定に基づき,基礎研究を中心とした協力を行っているほか,特にコメコン諸国との間で密接かつ強力な科学技術協力を行っており,1985年12月には,「2000年までのコメコン諸国の科学技術促進に関する総合計画」が決定され,情報・電子技術,自動化技術,原子力,新材料,バイオテクノロジーの主要5分野を中心とした研究協力が行われているところである。

 この他,次のような科学技術振興施策が展開されている。

1) 科学・生産合同ネットワークの拡大
2) 多数部門科学技術合同の設立(レーザー,パーソナルコンピュータ,バイオテクノロジー等の18分野)
3) 科学技術国家委員会の役割と責任を向上(新しい技術開発,科学技術水準維持,成果の効率的利用,研究・設計・製作ネットワーク創設)
4) 科学アカデミーの責任強化(理論的基礎形成,技術指向性向上,基礎科学の発展)
5) 高等専門機関の科学的能力活用
6) 研究環境(資材,機器,設備供給の保証)の整備
7) パソコンの大量生産,共同利用計算センター及び統一データ・バンクの整備
第2-4-8図 ソ連の科学技術行政機構


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