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第2部   科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
5.  主要先進国の科学技術政策
(2)  西ドイツ


 西ドイツの科学技術政策の基本理念は,従来から基礎研究重視にある。それは,多くのノーベル賞学者をコンスタントに輩出してきている実績に裏打ちされているが,半面,エレクトロニクス,バイオテクノロジー等の分野において応用,開発の面で日米に遅れを取ったことが懸念されている。このため基礎研究偏重,応用研究軽視の科学技術政策を改め,産・学連携の強化を図るべきという意見がシュミット政権末期から強くなり,1982年コール現政権になってからは,応用研究・産業研究助成重視へと政策転換が図られたが,最近では,再び,基礎研究を重視し,産業界への直接的助成の割合を減らし,間接的助成を拡大する方向が打ち出されている。


(研究開発推進体制)

 西ドイツでは,研究開発組織を大別すると研究開発計画の策定,助成並びに実施機関に分類できる。研究開発計画の策定に関与している主な省庁は,研究技術省(BMFT),経済省(BMWi),教育科学省(BMBW),国防省(BMVg)であり,その中で,中核的機能を有しているのが研究技術省である。しかし,研究開発計画を総括的に取りまとめる機関はなく,各省庁の所管範囲を超える問題が生じた時は,諮問委員会などの助言のもとに,教育科学技術関係閣僚会議において調整が図られる。

 研究開発助成機関としては,ドイツ研究協会(DFG),フォルクスワーゲン財団等が挙げられ,これらの機関を通して,大学,大規模研究所,約60の研究所を傘下にもつマックス・プランク協会(MPG),約30の研究所を傘下にもつフラウンホーファ一協会(FhG)等に助成金が流れ,研究が行われる仕組みになっている。


(研究費,研究人材の現状)

 1985年の研究費総額は,522億マルク(4兆2,330億円)で,うち政府(連邦及び州)負担研究費は207億マルク(1兆6,761億円)となっている。連邦政府のみの研究費についてみると,1980〜84年の間に16%増加したが,このうち基礎研究費は,29%と大幅な増加を示し,その結果,連邦政府資金のうち基礎研究費の占める比率は1980年の24%から1984年の27%に上昇した。

 研究開発従事者は,実働時間相当(full-time equivalent)に換算すると1983年は,38万人であり,このうち研究者は35.3%を占めている。組織別にみると,産業が65.7%,大学が19.5%,政府研究機関が14.2%となっている。


(科学技術振興施策)

 民間に対する科学技術振興施策として各種の助成措置が講じられているが,これは,間接的助成と直接的助成に大きく区分される。前者は,政府の関心が一般的な研究開発にある場合に適用されるもので,具体的には,研究開発人件費補助や税制上の優遇措置等が挙げられ,政府は個々の研究開発の内容については関与しないものである。一方後者については,特にリスクが大きく,多額の資金と長期間を要する情報技術,バイオテクノロジー,素材研究等に係わる特定の研究プログラムに対して適用される。

 なお,これら助成費の直間比率は,1976年の14.8:1から1984年には2.5:1と間接的助成費の比率が大きくなってきている。

第2-4-5図 西ドイツの科学技術行政機構


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