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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
第3章  我が国科学技術の国際化の現状
(6)  開発途上国協力


我が国は,従来より国際協力の立場から,経済・科学技術等の各分野において種々の形態の協力を開発途上国に対して行ってきている。

また,我が国は,開発途上国への経済協力の拡充が国際社会における重要な責務であるとの認識のもとに,1978年以来過去3次にわたり政府開発援助(ODA)の中期目標を設定し,その拡充に努力してきており,特に,近時の我が国の世界における経済的役割の増大や日本をとりまく環境の急激な変化等を背景として,1987年5月29日に発表された緊急経済対策においては,第三次中期目標につき,ODA7年倍増目標を2年繰り上げて実施し,1990年のODA実績を76億ドル以上とすることを決定する等,開発途上国への協力に積極的に対応している。

我が国と開発途上諸国との間における協力の詳細は第2部で述べるため,ここではその他のデータを中心に,我が国の開発途上国協力の概要を見ることとする。

第1-3-15図 政府開発援助(ODA)の国際比較(1986年実績) International comparison of governmental programs for“Official Deve1opment Aid″(ODA)(amounts actually spent in 1986)

1) まず,主要国における開発途上国協力を経済協力開発機構・開発援助委員会(OECD/DAC)統計によるODAでみる ( 第1-3-15図 )。

これによると,1986年実績で米国が97億84百万ドルと多く,次いで日本の56億34百万ドル,フランスの51億36百万ドルとなっており,対GNP比では,フランスが0.72%と一番高く,次いで西ドイツの0.43%,イギリスの0.32%,日本の0.29%となっている。

2) 技術協力は,開発途上国の経済・社会開発に必要な分野で活躍すべき人材を研修員として受け入れ,また,専門家の派遣などを通じて行う経済協力の一形態であり,人と人とのふれあいを通じて,合わせて相互理解を深める意味でその意義が大きいといえよう。我が国におけるこれら技術協力は,主として国際協力事業団(JICA)が関係省庁等の協力のもとに実施している。

我が国のDACベースの技術協力は,前述の目標設定により年々増加しており,1986年の内訳をみると経費面で「機材供与研究協力その他」が341.9百万ドル(技術協力総経費の40.3%)と最も多く,次いで「専門家の派遣」277.8百万ドル(同32.7%),「研修員の受入れ」133.8百万ドル(同15.8%),「留学生の受入れ」59.8百万ドル(同7.0%),「青年海外協力隊貝の派遣」35.4百万ドル(同4.2%)となっている ( 第1-3-16図 )。

このうち,研修員の受入れ及び専門家の派遣の動向を昭和61年度JICA事業実績によりみてみる。

〇 研修員の受入れは,新規,継続を合わせ6,714人であり,これを地域別にみるとアジア地域が最も多く,次いで中南米,アフリカ,中近東等となっており,分野別には,公共・公益事業が最も多く,次いで人的資源,農林・水産の順となっている ( 第1-3-17図 )。

〇 専門家の派遣は,継続を含め,3,046人であるが,これを地域別にみると研修員の受入れ同様,アジア地域が最も多く,次いで中南米,アフリカ等となっており,分野別では農林・水産をトップに公共・公益事業,保健医療等となっている( 第1-3-18図 )。

第1-3-16図 DACベース技術協力(1986年) Technical cooperation (on 1986)under the aus pices of OECD′s Development Assistance Committee(DAC)

第1-3-17図 研修員の受入れ状況(昭和61年度) Percentage distribution of trainees received from overseas(in FY 19876)

第1-3-18図 専門家の派遣状況(昭和61年度) Percentage distribution of Japanese experts dispatched to overseas

研修員の受入れ,専門家の派遣共に,地域別では,アジア地域が圧倒的に多く,分野別では,公共・公益事業及び農林・水産等が多いといえる。

3) 留学生,研修員の受入れ及び専門家の派遣を主要国との比較においてみると 第1-3-19表 のとおりである。

これによると,受入れ及び派遣の合計では,米国,日本,イギリス,西ドイツの順になっている。受入れでは,日本が最も多く,特に,他の国に比べ研修員の多いのが目立っている。また,派遣では米国が最も多く,日本はこれに次いでいるが,専門家,調査団の派遣に比してボランティアの派遣は割合が少なくなっている。

4) 学術研究における開発途上国への協力は,アセアン諸国を中心に日本学術振興会を通じて拠点大学方式交流,論文博士号取得希望者援助事業等の形態で実施されている。これら事業によるアセアン諸国との研究者交流数は,1986年度実績で派遣約360人,招へい約390人となっている。

第1-3-19表 主要先進国技術協力(方式別)比較(1984年) Comparison of tedmical cooparation of major industrial nations(by form of cooparation)(for 1984)


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