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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
第3章  我が国科学技術の国際化の現状
(1)  国際共同研究


近年の目まぐるしい科学技術の進歩,科学技術の大型化,複合化及び学際化の進展に伴い,国際的に共同して研究開発に取り組む必要のある課題や,地球環境問題等地球的な広がりを持つ課題が増えてきている。また,基礎研究においては,その成果が人類共通の資産として蓄積されることから国際交流は根本的かつ本質的な要請といえる。これらを背景に,特に次のような分野においては,国際協力という側面が不可欠となってきている。

1) 核融合,高エネルギー物理学,宇宙開発,海洋開発のような,大規模あるいは特殊大型設備を必要とするいわゆる巨大科学技術の分野 事例:日米科学技術協力 核融合, 高エネルギー物理学    宇宙ステーション計画    国際深海掘削計画(ODP)
2) 気候変動対策,地球の砂漠化対応等の環境保全のような地球的な規模で取り組む必要のある分野 事例:気候変動国際協同研究計画(WCRP)    国際リソスフェア探査開発計画(DELP)
3) 人類共通の知的財産を生み出すような基礎研究分野 事例:日米科学技術協力 光合成による太陽エネルギー転換
4) 疾病等人類共通の問題として取り組むべき科学技術分野 事例:日米癌研究協力事業    日米医学協力計画

我が国においては,これらの分野における各種の研究開発を,二国間協力及び多国間協力(国際機関協力,地域協力)の形態により実施してきている ( 第1-3-3表 )。 特に,最近では,インド,韓国,カナダと新たに科学技術協力協定が締結され,国際協力が一層拡大される傾向にあり,この方面での諸外国からの我が国に対する期待がますます増大されつつあるとみることができる。

第1-3-3表 国際協力推進の枠組 Existing frameworks for the promotion of international cooperation in science and tedchnology

なお,このような国際協力の推進を図るため二国間の科学技術協力協定の締結や国際機関における調整が行われている。

サミットの場でも,1982年6月のベルサイユ・サミット以降国際共同研究の重要性が認識されており,ベルサイユ・サミットの宣言に基づき設置された「科学技術等に関する作業部会」において,1983年3月に,今後可能な科学技術協カプロジェクトとして,太陽光発電,光合成,先端ロボット等18のプロジェクトが新たに提案され,その後国際共同で研究開発が行われている。また,ベネチア・サミットにおいて我が国は,ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを提唱しており,現在,そのフィージビリティ・スタディを行っているところである。

一方,先にも述べたように,科学技術庁が行った技術予測の結果をみると,各予測課題毎の研究開発推進方法として,最近,特に国際共同開発を重視する傾向が顕著になってきており,とりわけ,「ライフサイエンス」,「保健・医療」,「宇宙」,「地球」分野等にこれらの課題が多くなっている。

この調査結果でもわかるように,基礎研究分野をはじめとして科学技術活動を実施する上で地球的な規模で取り組む必要のある分野や人類共通の課題,公共財ともいえるような基礎的な研究課題等においては,今後一層の国際的に共同した展開,取組みが重要視される傾向になりつつある。


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