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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
第2章  世界の科学技術を巡る新しい潮流
1.  多極化傾向の中で相互依存性を高めつつある世界の科学技術
(1)  世界の科学技術の変遷


人間の知的好奇心に基づき,自然を探求することを目的とした科学と,職人社会の中で伝統的に受け継がれてきた技術は,本来別個のものであったが,18世紀に入ると,特に西欧において科学と技術の接近が始まり,両者は複合して,現在の科学技術の概念を形づくってきた。

このような科学技術の,その後の流れを概観してみると,いくつかの大きな変動の時期を認めることができる。

その第1は,18世紀後半から19世紀の初頭であり,イギリスの産業革命が口火となって,全盛期のイギリスを中心に蒸気機関や紡績機械の利用が爆発的に広がっていった。その後,世界の科学技術の中心は,徐々に西欧から米国に移っていったが,特に19世紀後半から20世紀にかけて,米国を中心に,自動車,無線通信,内燃機関,飛行機等の革新技術が続々と生み出された。しかし,この間,19世紀中頃のドイツや20世紀初頭の米国では各々の国力の急速な進展等が原因となって国際摩擦を生じ,他の欧州諸国が,これら2国に対し国力に応じた国際貢献の拡大を求める事態も生じている。

次に大きな変動の時期となるのは第2次世界大戦をはさんだ時期であり,米国を中心にコンピュータ,トランジスタ,ジェットエンジン,テレビジョン,抗生物質等今日の画期的技術が多数生み出された。この間,米国は世界の研究者を積極的に受け入れたこともあり,世界の科学技術は,その後,米国の圧倒的優位の時代に入っていった。このような米国の圧倒的優位性を中心とした流れが,ここ数10年間の世界の科学技術の趨勢であったが,最近では,欧州における産業技術力向上への努力や日本の産業技術の急速な進展等を背景に多極化傾向がみられつつあり,世界の科学技術は競争と協調関係の中で相互依存性を増大しつつあるという新しい局面をむかえつつある。


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