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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
第1章  国際社会の中で新しい地歩を占めつつある我が国の科学技術
(1)  研究投入面を中心にみた我が国の科学技術の動向
  〈企業の研究開発動向〉


最近の我が国企業の研究開発動向をみるため,総務庁「科学技術研究調査報告」の産業,製品分野別社内使用研究費から,主な業種での当該業種製品に係る研究費の比率(本業集中比率)を求めると, 第1-1-8表 のようになる。

この表から,各業種を大きく2つに区分すると,医薬品工業,通信・電子・電気計測器工業,自動車工業といった本業集中比率が高く,この15年間の推移をみてもほぼ一定しているか増加傾向にあるグループと,繊維工業,油脂・塗料工業,窯業といった,この15年間の推移で年々本業集中比率を下げているグループに分けられる。

このうち,前者のグループは,バイオテクノロジー,エレクトロニクス等の先端技術に関する業種であり,いずれも研究費を積極的に本業分野に投入し,活発な研究開発活動を展開していることがわかる。一方,後者のグループには伝統的な産業に属する業種が多く,例えば窯業では本業の窯業製品の他に,通信・電子・電気計測器製品向け研究開発費が近年急増しており,1970年には,窯業の全研究投資額のうち通信・電子・電気計測器製品向け研究開発費は1%にすぎなかったものが,1985年には,11%に達するなど,他業種関連分野への研究投資の拡大がみられる。

これらの事実は,最近の円高環境下,新興工業国(NICS)の追い上げ等国際情勢の変化を背景として,他分野,特にハイテク分野の企業へと自ら変貌させようとしている企業戦略を示しているものと考えられ,国際化の新しい潮流の中で着々と布石を打ちつつある我が国企業の姿としてとらえることができよう。

次に,各国の民間企業の性格別研究開発の動向をみると,国により統計調査の方法等に差異があるため,単純な比較は難しいが,各国の統計に基づき作成した 第1-1-9表 によれば,いずれの国とも基礎研究比率が小さく,企業原理に基づき応用・開発研究が主体となっていることがわかる。

第1-1-9表 民間企業における研究費の性格別構成比 Proportion of R&D expenditures by charactor of work in private secter

第1-1-10図 売上高に対する研究開発費の比率(R/S)及び 研究開発費に対する基礎研究費の比率(B/R) Ratio of R&D expenditures to sales(R/S)and the ratio of basic research expenditures to total R&D expenditures(B/R),by type of industry

第1-1-10図 は,民間の業種別に,基礎研究への注力度を見るため,研究開発費の売上高に対する比率と,基礎研究費の総研究費に対する比率をあらわしたものであるが,対売上高比率が高まると基礎研究費比率も高まるというのが,一般的な傾向であることがわかる。特に医薬品工業,食品工業,窯業等で基礎研究比率の大きな増加がみられる。


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