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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
  序章 我が国の科学技術の概観
  [最近の我が国科学技術の動向]
  〈技術予測にみる科学技術の動向〉


昭和61年から62年にかけて科学技術庁で行った第4回技術予測調査の結果から,今後の科学技術の動向について見てみる。

技術予測調査は,今後30年間(2015年迄)に我が国で推進されると考えられる重要な技術課題(全1,071課題)の実現時期,重要度などについて,2,000人を越える専門家にデルファイ法によるアンケート調査を実施したものである。

調査の結果を全般的にみると,最近の高齢化社会,情報化社会,グローバリゼーションの進展等を反映して,「ライフサイエンス」,「保健・医療」分野,国際情報ネットワーク等の「情報・電子・ソフト」,「通信」,「宇宙」,「地球」分野等に重要度の高い課題が多くみられる。

個別の課題の中で最も重要度の高いものは,「がんの転位を防ぐ有効な手段の開発」(実現時期 2002年),「産業用電気機械に使用しうるような液体窒素(77K)以上の臨界温度をもつ超電導材料の実用化」(実現時期1994年)となっており,これらに続いて,地震予知,原子力,情報・通信関連の課題の重要性が高く認識されている。

また,5年前の調査と比べて特に重要度が高くなった課題には,「記憶機構の解明」,「老化機構の解明」,「老人性痴呆症の予防」等があり,最近の高齢化社会の進展とライフサイエンス研究の急速な拡大を裏付けるデータとなっている。

一方,今回の調査結果を横断的にみると,「原理・現象の解明が重視される領域」や「国際性が重視される領域」の課題の重要性が高くなっていることがわかる。このうち,「国際性が重視される領域」については,人類の生存に係わりの深い「ライフサイエンス」,「保健・医療」分野や,国際的な連携が求められる「地球」,「環境」分野の中に,研究開発の推進方法として国際共同開発が最も望ましいとされた課題が多くなっている。また,国際共同開発が重視される課題の割合は,10年前に全体の2割にすぎなかったものが,今回は4割以上を占めるなど,最近の科学技術に対する国際的な取り組みの重要性が強く感じられる結果となっている。また,「原理・現象の解明が重視される領域」については,「ライフサイエンス」分野等を中心に生物に関連した課題が多くなっており,難しい課題が多く実現予測時期が遅くなっているものの重要度は一般に高くなっており,我が国でもこのような基礎的研究の強化が求められてきていることをあらわしていると思われる。


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