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第1部   我が国科学技術の国際化に向けて
  序章 我が国の科学技術の概観

研究費総額8兆1千億円,研究費総額の対国民所得比3.19%,国際比較のため人文・社会科学を含めたベースでは3.49%,研究者総数40.6万人・・・これは,現代日本の科学技術の姿の一端を示すものである。研究費,研究者数の国際比較は,国によりその内容,調査方法等に差異があり,単純比較はむずかしいが,おおよその傾向をみるため各国の統計に基づき比較してみると,研究費総額,研究者総数は米国についで自由世界第2位,人文・社会科学を含めた研究費総額の対国民所得比は自由世界第1位となっている。

昭和30年度の我が国は,研究費総額約400億円,当時のイギリスの研究費総額の約13%,また研究費総額の対国民所得比0.84%となっており,いずれも日本,米国,西ドイツ,フランス,イギリスの主要5か国中最低のレベルであった。30年間を振り返ればまさに隔世の感がある。

この30年間だけを見るまでもなく,資源に乏しくその知的創造力に存立の基盤を求めざるを得ない我が国においては,明治維新以来の近代化,戦後の復興を通して,科学技術の果たしてきた役割には極めて大きなものがあった。この間,欧米先進国の有する優れた科学技術・文化を積極的に導入し吸収し改良するとともに,実用化面等で懸命に努力を重ねてきた結果,今日の我が国の科学技術は,産業技術面を中心に一部では世界のトップクラスに至ったといえよう。このような日本の科学技術の急速な進展等を背景に,最近では,先進国の一員として国際的責務を果たしつつ,競争と協調関係の中で,我が国独自の科学技術の振興を図っていかなければならない時代に入っている。

このような我が国の科学技術を考えるにあたり,まず,我が国の科学技術が如何にして展開され,現在どのようなレベルに達し,また,どのような問題を抱えているかについて概観しておくことは重要である。

このような観点から,序章では,これまでの我が国科学技術発展の経過と最近の科学技術の動向について考察することとしたい。


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