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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
8  標準化の推進
(1)  日本工業規格


我が国の工業標準化事業は,現在,約8,000にのぼる日本工業規格(JI S)と,約1,100の指定品目,種目を擁するJISマーク表示制度を柱とし,生産,流通,消費の合理化を目的としつつ,産業の発展,貿易の振興,生活の向上,科学技術の普及等に多大な貢献を果たしてきている。

しかしながら,近年に至っては,国民のニーズの多様化,高度化が叫ばれ,従来の高度経済成長から安定成長への移行が図られるとともに,技術革新,情報化,我が国経済の国際化が急速な進展を遂げる等,我が国経済を取り巻く情勢は急変し,これに伴って,工業標準化事業に対する新たな要請が生じてきている。

すなわち,技術の進歩という面からみれば,ファインセラミックス,形状記憶合金等新素材の開発,情報関連機器の急速な普及,ネットワーク化,F A・メカトロニクス等ソフトとハードの結合化,酵素利用技術,組換えDNA利用技術等のバイオテクノロジーの進展等技術革新の展開には目覚ましいものがあり,これら技術開発の支援基盤としての標準化の推進が重要となっている。

一方,国際的には,JISマーク表示制度の海外開放,「市場アクセス改善のためのアクションプログラム」の決定等JISについても国際的合理性,妥当性が従来以上に要求されてきている。また,昭和60年9月には国際標準化機構(ISO)総会が東京において開催され,日本の推す山下勇氏〔経団連副会長(当時)〕がISO会長として選任される等国際標準化活動における我が国の果たすべき役割はより一層大きなものとなっている。

こうした中で,日本工業標準調査会(会長:田口連三 日本機械工業連合会会長)は,昭和60年7月「工業標準化推進長期計画の策定に関する建議」を通商産業大臣あて提出し,「国際化への対応」及び「新技術と情報化への対応」という今後の標準化行政における二つの基本的方向を提示した。

昭和60年度は,この工業標準化長期計画及び先端分野におけるJIS化の要請の高まり等を踏まえ,以下の業務を実施した。


(1) 日本工業規格の制定等

次の分野について国際規格との整合性に留意しつつ重点的に日本工業規格の制定,改正等を行った。

1)新技術及び情報関連技術の開発・普及の促進
2)国民生活の質的向上に必要なもの
3)省資源,省エネルギー化の推進に必要なもの
4)産業基盤の整備の推進に必要なもの

また,規格原案の作成及び規格の制定,改正に必要な技術的データを収集するため,調査研究として,「ファインセラミックスの標準化に関する調査研究」,「オプトエレクトロニクスの標準化に関する調査研究」など17件を継続して実施したほか,「有機,複合系新素材の標準化に関する調査研究」,「システムソフトウェアの標準化に関する調査研究」等,5件を新たに取り上げた。


(2) JISマーク表示制度

JISマーク表示制度の運用については,品目又は種目の指定,改正に際して,生産者(加工業者)又は需要者が不特定多数であって,指定によるメリットの高いもの,例えば住宅用資材,家庭用品などを重点的に取り上げるとともに,指定の意義が薄れたものについては積極的に品目指定の取消しを行っている。また,JISマーク表示商品に対する信頼を維持するため,JISマーク表示許可工場に対して民間の認定検査機関による検査(公示検査)の実施,品質管理推進責任者の設置義務付け等品質管理体制の強化を図った。

また,アクション・プログラムの主旨に鑑み,取引の単純公正化等の観点に照らしつつ,3年間で現行JISマーク表示対象品目の1割程度を削減することを目途に見直しを図った。


(3) 国際標準化事業

国際標準化事業については,国際標準化機構(ISO),国際電気標準会議(IEC)の各種国際会議への参加,国際規格案の審議,幹事国引き受けなどを行った。

また,太平洋地域標準会議(PASC),試験所相互認定に係る国際会議(ICAC)への参加,中国でのJISセミナーの開催等を行い,国際標準化の一層の推進を図った。


(4) 情報処理技術の標準化の推進

情報技術の進歩は目覚ましいものがあるが,情報処理機器等の間に相互運用性(インターオペラビリティ)のないことが,大きな社会経済的な課題となっており,これらの現状を踏まえて,情報処理技術分野における標準化推進方策を主題とした第2次「情報技術の標準化の推進に関する建議」が昭和61年3月日本工業標準調査会から通商産業大臣あてなされた。


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