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第1部   人間性豊かな生活環境に向けて
第2章  社会・生活と科学技術
1  職場における変化
(2)  事務の自動化(OA化)の進展


自動化の進展は,事務部門でも特に昭和55年以降大きく進行し始めている。

第1-2-8図 昭和50年代前半における事務機器の普及

事務部門では,それまで,電話機,複写機,卓上計算機,タイプライター,文書裁断機,印刷機等事務の特定作業部分を機械化する事務機の形で発展してきたが( 第1-2-8図 ),昭和50年代から事務機にICやマイクロコンピュータが組み込まれ,また,ファクシミリ,オフィスコンピュータ,ワードプロセッサ,パーソナルコンピュータ等情報処理機器のコンパクト化,低コスト化が進むに伴って,より高次の処理が可能な事務機器,いわゆるOA機器の急速な発展が進んでいる( 第1-2-9図 )。

また,その進み方も昭和50年代中期には各OA機器を単体として用いる形で導入が進んできたが,昭和60年には,汎用コンピュータとOA機器の統合利用が単体利用を超え( 第1-2-10図 ),事務機器の統合システムが進展し始めている。

第1-2-9図 機種別導入企業の割合の推移

第1-2-10図 各企業におけるOA化の段階

OA機器の導入ぶりについて主要5品目の日米比較をしてみると,ファクシミリを除いていずれも米国の普及率の方が高く,パーソナルコンピュータ,ワードプロセッサ,端末機は日本の3〜4倍の普及率となっている( 第1-2-11図 )。

事務の分業化が進んでいる米国に対して,たいていのことは自分でまとめて処理する傾向が強い我が国の事務パターンからみて,これまでのような単体としてのOA機器の普及率は米国より低いものが多いものの,我が国におけるOA化はシステム的展開という形でこれから本格化するものとみられる。

こうしたOA機器の導入は,単純作業を減少させ,企画,設計等の知的労働のウェイトを増大させ,事務所の就業構造の変化を呼び起こしている。

まず,OA化の進展を業種でみた場合,預金為替業務の機械化を主軸とした昭和40年代の第1次オンライン,融資等その他業務の機械化の進んだ昭和50年代の第2次オンライン,取引先等の外部情報を軸とした現在の第3次オンラインというように金融・保険業におけるOA化の進展には目覚ましいものがあり,また,在庫管理,受発注処理,輸送管理等を中心とした卸売・小売業,電気・ガス・水道供給業等サービス部門のOA化の進展もかなり進んでいる。さらに,OA化は製造業,建設業等他部門にも拡大し,今では,金融保険,流通等がドッキングした総合的なものまで進み始めている。

第1-2-11図 日米におけるOA機器の普及状況

また,これまでのところ,OA化は,販売管理,給与計算,在庫管理,財務会計部門の業務の効率化の面で効果が大きく,企業のOA化対象領域は営業販売部門,経理部門,生産管理部門の順になっており,OA機器等の導入の影響を職種別にみるとコンピュータ操作部門をはじめとする情報処理職が増えているが,他方では事務職等効率化が図られる部門の減少をみている。

現在,就業者全体としては事務職を除き,ほとんどの職種で増えており,特に営業・販売,専門技術研究職等が増えているところから,事務の合理化は,一方では単純作業を減少させ,他方では事業規模の拡大や処理内容の高度化をもたらしている。労働省の「オフィス・オートメーション等実態調査報告(昭和59年11月)」でみれば,5年前に比べて労働者数が増加したとする企業の割合が43%,減少したとするものが27%となっている。

また,OA機器等の導入に伴う採用面からの変化をみると,大卒男子では,増加したとする企業が10.0%,減少したとする企業が2.2%と,増加したとする企業が7.8ポイント高く,短大卒男子,短大卒女子,高卒男子といずれも増加したとする企業の割合が高いのに対し,現在までのOA化によるインパクトの大きい高卒女子は,減少したとする企業が増加したとする企業に比べて1.6ポイント高くなっている。

また,こうしたOA機器の導入による労働内容の変化に対し,しばしば労働者の適応が問題になるが,前記労働省調査によれば,労働者個人の場合,十分に又は一応ついていく自信がある者81%,ついていけないとする者18%となっており,かなりの人が一応適応可能とみている。これに対して,雇用する側の企業の場合には,問題を生じるとみるものが45%もある( 第1-2-12図 )。

第1-2-12図 OA化への対応状況

企業側が問題点とする内容と労働者側の不安の内容をみると,企業,労働者とも認識は共通しており,新しい知識技術への対応面での不安を挙げるものがそれぞれ4分の3強を占め,これに健康管理の充実などが続いている。

このようにFA化の場合と同様,ここでも作業内容の知的高度化が進み,労働はよく学び,よく考えることが重要な要素となってきているといえよう。


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