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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
9.  科学技術関係審議会などの活動状況
(1)  科学技術会議



(1) 諮問第10号に対する答申

諮問第10号「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術の研究開発基本計画について」に対する答申(昭和59年4月24日)において,ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術のうち,特に組換えDNA,細胞融合等の遺伝情報系操作技術の重要性の指摘し,当面,推進すべき研究開発として31課題の研究目標及びその推進方策を提示した。なお,本答申に基づいて,昭和59年8月,内閣総理大臣は,「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術の研究開発基本計画」を策定した。


(2) 諮問第11号に対する答申

我が国の科学技術政策は,昭和52年5月に科学技術会議が答申した「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」(第6号諮問に対する答申)に基づいて推進されてきた。しかしながら答申以来6年余を経過し,科学技術そのものの広汎かつ急速な進展をみるとともに,世界経済の停滞,国際的あつれきの増大,国内における社会の成熟化,高齢化の進展,産業構造の変化等科学技術をとりまく情勢は,大きく変化してきている。このため昭和58年3月,内閣総理大臣から,このような新たな情勢変化に対応し,長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について諮問(第11号)があった。

これを受けて,科学技術会議は,昭和59年11月,国全体の科学技術活動が十分な効果を発揮し得るよう,政府が科学技術政策として措置すべき政策の基本的方向を示すとともに民間における科学技術活動の指針ともなるよう配慮しながら,21世紀に向けて新しい文化と文明の基礎となる科学技術の総合的な発展をめざして,むこう10年程度の間における科学技術政策の基本を示す答申を内閣総理大臣に提出した。

本答申では,科学技術政策の方向として,特に次の3点を基本としてとりあげている。

1) 創造性豊かな科学技術の振興

基礎的研究や技術基盤を強化し,世界の科学技術を先導すべき国の一つとして,先端的技術等独創性豊かな科学技術の積極的創造を図る。

2) 科学技術と人間及び社会との調和ある発展

人間及び社会のための科学技術という原点に立ち,人間そのものに対する理解を深めながらこれと調和ある科学技術の発展を図る。

3) 国際性を重視した展開

国際社会の中における我が国の役割の増大に鑑み,我が国の技術力を国際社会の発展に活用していく等国際化の進展に即した対応力の強化を図る。

以上の基本的な柱に沿って,今後10年程度にわたって国が重点的に措置すべき施策の大綱を示すとともに,国全体として特に強化していくべき研究開発の目標として,特に次代に向けての発展の基盤を築くことを重視した「基礎的・先導的科学技術」,我が国が今後とも安定な発展を続けていくための「経済の活性化のための科学技術」,特に人間及び社会を重視した「社会及び生活の質の向上のための科学技術」を大きく取り上げてその強力な推進を図ることとしており,合計101の重要研究領域を掲げている。


(3) 政策委員会の主な活動状況

我が国をとりまく内外の諸情勢が厳しさをます中で,経済的社会的諸問題解決の鍵として,科学技術の重要性に対する認識が一層高まっており,これに伴い,昭和57年7月の臨時行政調査会基本答申等において科学技術会議の機能強化を求める意見が出されるに至った。

このため,第33回本会議(昭和58年3月)において,科学技術会議における重要事項の適時,的確な処理を行い,機動的かつ弾力的な科学技術政策の展開を図るため,学識経験議員を含む各界の有識者12名で講成される政策委員会が新たに設置され体制の強化が図られた。

政策委員会では,早朝に具体化を促進すべき課題の処理に向けて次のような活動を行った。


(イ) 科学技術政策立案のための基礎調査等

政策委員会等における審議・検討に資するため,関係各省庁から科学技術関係施策の現状についてヒアリングを行うとともに,欧米の政策立案関係者と懇談し,現状と問題点に関する意見交換を行った。

また,科学技術振興調整費を用いて,先端科学技術の展開方向,海外における国の研究開発の役割と民間への波及,科学技術情報の国際的流通のあり方等について,調査分析を行い,各種政策課題の検討に資するための基礎資料を得た。


(ロ) 重要研究業務の推進調整

国全体として調和のとれた科学技術の発展を図るため,昭和56年度に創設された科学技術振興調整費について,昭和59年5月

○ライフサイエンス,極限科学技術及び材料科学技術分野の重点的推進特に,ライフサイエンスの分野におけるがん研究を支える共通基盤的技術の研究の重視
○国家的,社会的ニーズの強い研究開発への対応
○国際共同研究の推進
○研究開発の推進方策の検討,研究課題の設定等に必要な調査分析の充実

等を基本とした昭和59年度の具体的運用を定めた。

また,昭和60年度における科学技術振興調整費の運用方針についても,昭和60年3月,科学技術会議第12号答申に示された科学技術政策の基本的方向に基づき,基礎的・先導的科学技術分野の推進を中心とする「昭和60年度科学技術振興調整費運用の考え方」を決定した。今後はこの考え方に従って詳細を検討して具体的な運用について取りまとめていくことにしている。


(ハ) 重要政策事項の処理

○緊急に対応すべき科学技術振興政策の決定

我が国における創造性豊かな科学技術振興の緊要性を考慮し,昭和59年7月,基礎研究の強化,研究基盤の強化及び国際対応の強化に関して強力に推進すべき共通的事項を示した「緊急に対応すべき科学技術振興政策について」を決定した。

○研究評価

研究開発の効果的推進のためには,研究評価が重要であるので,研究評価小委員会において,科学技術振興調整費で実施した研究課題で第1期研究計画を終了したもの等について,当該研究の成果,目標修正の要否等について調査検討を行うとともに,研究の性格,進展,態様等に応じた適切な研究評価のあり方について審議を行っている。

○科学技術情報流通

研究開発の効果的,効率的推進を図るための基盤として科学技術情報の流通促進が重要な政策課題となっているので,科学技術情報小委員会において,当面早期に解決を図るべき諸問題について調査検討を行い,昭和59年8月,データベースの整備,科学技術情報の提供機能の向上,英文データベースの作成等による海外への情報提供等を提言した報告書を取りまとめた。

○科学技術と人間及び社会との調和

第11号答申において重要性が指摘されている科学技術と人間及び社会との調和問題については,情報・電子系科学技術,ライフサイエンス等の進展が人間,社会に与える影響とその問題点等について検討を進めている。


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