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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動の推進
5.  創造的研究開発の推進
(2)  次世代産業基盤技術研究開発制度



(1) 制度の趣旨

現在,我が国の技術水準は,先進工業国の平均的水準に達し,鉄鋼,自動車,電機産業などの技術分野では,世界のトップレベルにあるものも生まれている。しかし,これは戦後欧米先進工業国との技術格差を埋めるため,先進国から積極的に技術導入を図り,改良,改善を進めてきた成果であり,革新的な独自の技術を開発するという創造的研究開発という面ではまだ欧米先進国に立ち遅れていると言える。

今後,資源に乏しい我が国がその脆弱性を克服するためには,1990年代に発展が期待できる航空・宇宙,情報処理,新エネルギー開発,バイオインダストリー等の次世代産業の確立に必要不可欠な基盤技術の研究開発を特に推進し,欧米先進国に比べ遅れをとっていると言われる我が国の基盤技術水準を早急に引き上げる必要がある。しかし,このような基盤技術の開発は,その波及効果が大きく国民経済上も要請が強いとは言え,その開発には膨大な資金と長期間を要し多大なリスクを伴うことから,通商産業省においては,このための施策として,計画的かつ効率的な研究開発方式の下に,民間のポテンシャルも積極的に活用する「次世代産業基盤技術研究開発制度」を昭和56年度に創設した。

第3-2-10表 創造科学技術推進制度研究プロジェクトの概要(昭和59年度)


本制度発足後4年目を迎え,59年度には一部テーマについて第2期計画に着手するなど研究開発は順調に進展しており,成果も着実にあがりつつある。


(2) 制度の概要

新材料,バイオテクノロジー及び新機能素子の3分野において,理論的ないし実験的に革新的な産業技術の実用化の可能性が明らかにされた(双葉の段階)12テーマを選び,これを産業技術の実用化のめどがつく(若木の段階)まで研究開発を行うこととしている。また,効率的に研究開発を進めるため,複数の研究開発方式を同時に進める並行開発方式を採用するとともに,長期(10年程度)にわたる全体計画を数年ごとに3段階程度に区切ってそれぞれの段階に一定の目標を設け(段階別目標設定方式),各段階ごとに研究開発状況や成果を評価して最適な開発方式を選択していくこととしている。

本制度は,産業界,学界,国(国立試験研究所)の三者の協力により進めることとし,産業界のポテンシャルを活用するため民間企業等へ委託するとともに,国立試験研究所もその実績を生かして研究開発を行うほか,研究内容により大学等にも協力を求めている。


(3) 研究開発プロジェクトの概要

本制度で研究開発を進めている12テーマの概要及び昭和59年度予算額は 第3-2-11表 のとおりである。

第3-2-11表 次世代産業基盤技術研究開発制度の対象となる研究開発テーマの概要と昭和59年度予算額



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