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第1部   研究開発の新展開と連携の時代
第3章  次の躍進への我が国の課題
4  連携環境の整備


ある公立試験研究機関の場合,ここ数年の間に依頼試験分析は総量としてはほぼ半減し,企業では持てない大型ないし特殊な設備を用いたものに特化傾向が見られるのに対し,技術相談需要はほぼ倍増し,委託研究も希望が増え,しかも従来の中小規模企業のみでなく大規模企業から,あるいは他の自治体地域からの申し込みが増えている。

このように,近時,高度技術の導入に関連して必要となる基礎的な科学技術知識の需要が増え,物性データ等の科学技術情報の流通,技術指導,技術相談等の需要も増えてきている。

しかしながら,国公立試験研究機関では人員,専門等の制約から自らの組織人員のみでは最先端の科学技術への取り組み,あるいは増大する技術相談等のサービス需要への対処が十分に出来ない局面が増えてきており,大学,企業等とネットワークを組んだ共同サークルを組むことが必要となっている。このため,国公立試験研究機関の先端的科学技術需要への取組みのための体制,運営の改善を図るとともに,産学官の研究者の協力ネットワークを造り,あるいは技術士等の技術指導サービス制度の充実が重要になってきている。

また,第2章で見たように,我が国では産学官相互の間で共同研究,委託研究,受託研究が拡大しつつあるが,研究交流を一層円滑に実施するに当たっては,人事制度,会計制度等の整備,改善が重要化してきている。

第1-3-4表 共著論文から見た産業の社会との連携

米国の場合,大学の若手研究者の約半数が各省庁の研究交付金の助成を受け,優秀な若手研究者に直接研究費を与えるシステムが整備されている。また,産業部門の博士以上の学位を有する研究者の3%が副次的に教育にも携っており,あるいは産業界の研究者の論文の3割が社外研究者との共著(協力相手は大学65%,他社20%,政府機関15%( 第1-3-4表 ))になっている等他部門との協力交流が活発に行われている。

我が国でもこれまで国立大学等と民間機関等との共同研究制度の創設,国立大学教官への教員以外から非常勤教官としての任用(現在,教官の17%約8,800人),客員研究員,流動研究員,受託研修等の諸制度の充実が図られてきているところであり,また,科学技術振興調整費(59年度61億円),次世代産業基盤技術研究開発委託費制度(59年度46.9億円)等産学官の連携協力を図ったプロジェクトの推進が図られているところであるが,全体としてまだ産学官連携協力の時代の助走段階にあると見られ,その本格化に向けた制度の充実・整備が求められている。


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