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第1部   研究開発の新展開と連携の時代
第2章  新しい技術を求めて動き出した研究開発活動
3.  新たな展開を見せる研究開発活動
(4)  特に著しい先端技術領域への進出


昭和57年度に行った技術予測において1990年代には数々の新技術ができると期待され,現在,いわゆる高度技術分野として多くの企業が進出を図っている分野の代表として情報処理,ライフサイエンス及び新材料が挙げられる。

これら三分野については 第1-2-21表 に示すように,現在の売上高に占めるウェイトは極めて低いにもかかわらず,研究費や研究人材の投入の比率は多い。

まず,情報処理技術について見れば,企業のこの分野への進出は目覚しく,研究費の面で見れば全産業合計で昭和50年度の528億円から昭和58年度は2,415億円と年平均20.9%の高水準で伸びてきている。

第1-1-22図 及び 第1-2-23図 に見るように業種別では,特にメカトロニクス,精密計測制御等をかかえる精密機械工業,窯業等の業種において伸びが大きく,建設業,総合化学,通信・電子・電気計測器工業等においても研究開発全体の伸び率以上の伸びを見ている。

これに対して,運輸・通信・公益業では, 第1-2-22図 に見るように,すでにある程度の研究費を確保していることもあって,その伸び率は研究開発全体の伸び率より低く,機械工業でもやや低くなっている。これらの業種については,システムの総合管理,CAD/CAM等を始め諸種の情報関係技術の重要性が増大し,これから情報化時代に入ろうとしていると言われている割にはやや低調と見られる。

第1-2-22図 情報処理関係研究費の年平均増加率

第1-2-23図 業種別情報処理関係研究費(昭和50,58年度)

次にライフサイエンスについて見れば,ライフサイエンスの研究費は昭和56年度の2,558億円から58年度の3,348億円へと年平均14.4%の伸び率で年々急進を続けている。業種的には,医薬品工業の伸びはそれ程大きくはないが,研究費の80%以上がライフサイエンス分野であることもあり,ライフサイエンスの研究費全体の過半数を占めている。これに対して,現在,食品工業,繊維工業,総合化学工業ではライフサイエンスの研究費の伸びが高く,額も大きい。しかしながら,長期的には生産工程等への生物の機能の導入等さらに一層の拡大が考えられるものの,現在では情報処理に比べて業種的拡がりは小さく,この分野の研究開発そのものが全体としてはまだ助走段階にあることを示している。

第1-2-24図 ライフサイエンス関係研究費(資本金1億円以上の会社等)

また,内容的には遺伝子組換えに関する研究費の伸びが著しく,昭和56年度から58年度にかけてわずか3年で2.2倍に増加し,しかも,総合化学,食品工業の分野のシェアが相対的に大きくなっている( 第1-2-24図 )。

また,新材料については,研究費で見る場合これまで統計がとられてこなかったこともあり,経年変化を見ることはできないが, 第1-2-21表 より「全研究費中のシェア」と「全売上高中のシェア」との比をとって見た場合,この比は電子・情報の1.5,バイオテクノロジーの3.4に対し,6.3と産業全体の力の入れ方は前二者をしのぐものがあり,今後の発展力は大きいと言えよう。

さらに業種別に見れば,窯業,鉄鋼業,総合化学工業等の素材型業種の研究費中のシェアが高く,加工組立型業種では電気機械器具工業等を除けば研究費中のシェアは余り高くない( 第1-2-25表 )。しかしながら,現在の売上高に占めるシェアでは,逆に最も高いのは電気機械器具工業,次いて通信・電子・電気計測器工業であり,上記の比も1.5〜1.3とそれほど高くはなく,現在の新材料の研究開発が情報電子関連の業種を基軸として進んでいることを示している。これに対して,鉄鋼業,パルプ,紙工業等の素材型業種は,新材料については出遅れの感があり,売上高中のシェアは極めて低い。このため,これらの業種では新材料への研究投資を急速に増加させているものと見られ,研究費中のシェアも電気機械器具工業,通信・電子・電気計測器工業を大きく上回り,全研究費中のシェアと全売上高中のシェアとの比も一桁高くなっている。一方,新材料の売上高中のシェアが低い自動車工業を上記の比で見ると売上高の50倍近い研究投資を行っていることに見られるように需要者側が自ら新材料の研究開発に乗り出しており,供給側の研究開発の活発化と相まって新材料の研究開発は,ほとんどの業種に拡がっている。

第1-2-25表 素材型業種及び加工組立型業種における新材料の売上高,研究費のシェア


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