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第1部   研究開発の新展開と連携の時代
第1章  向上しつつある研究開発能力
3  量的には拡大しつつある研究開発資源
(1)  成長から革新的創造への曲り角


歴史的に見ればフランス,イギリス両国は,1880年代前半に蒸気機関を始めとする当時の技術革新によって科学技術の水準を上げ,ドイツは1880年代後半に,米国は1890年代から20世紀初頭にかけてそれぞれの科学技術水準を国際的に最先端のレベルに引き上げ,各国とも独創性を機軸とした研究開発を進めている。

これに対して我が国はようやく20世紀中後期の技術革新の時代に研究開発能力が大きく伸展し,ようやく国際的レベルで独創性を機軸にした研究展開を本格化し得るところに達し,今やひとつの大きな転換期に立つに至っている。

しかしながら,これからの独創性を機軸にした研究開発は,今までにはあまり経験したことのない大きな努力と試行錯誤を必要とし,また前進の糧となる基礎的研究や技術基盤等の十分な蓄積がなければ進むことのできないものであり,これまでと異った取組みが必要である。

我が国は,これまでの技術の発展によって物質的にはある程度豊かになり,国民の意識も物の豊かさの重視から心の豊かさの重視へと移りつつある。しかし,これまで長期にわたって身につけてきた物質的追求の考え方からまだ十分には脱皮していないと見られ,人的ないし知的ストックの総量こそは後述のように国際的にもかなりの水準に達してきているものの独創的な文化文明の創出への価値観等の独創性発揮につながる周辺条件の面,あるいはスミソニアン,ミュンヘン,ロンドン等の博物館群に見られるような歴史的,文化的な厚みのある広い意味でのストックはまだ不十分と考えられる。

今後,我が国が精神的ないし人間的な豊かさをも追求する次なる創造の世紀に向けて科学技術の新たな展開を図っていくためには,研究開発人材,科学技術に関する知識・経験の蓄積等基盤面からの体質改善が必要である。

このため,研究開発人材の蓄積,これらの研究開発資源を総合的に運用する研究体制等これからの研究開発の展開の基盤となる研究資源の状況について見ることとする。


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