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第1部   研究開発の新展開と連携の時代
第1章  向上しつつある研究開発能力
2  活発化する研究開発投資
(1)  向上した研究開発投資のインセンティブ


我が国は,新技術の導入と生産技術の革新がうまくリンクし,極めて効率的に経済の成長を遂げてきた。石油危機においても省エネルギー技術を中心に世界的にも比較的早く経済の立ち直りを見せ,電子関連技術等を中心に独自の展開力を持ち始めている。このような中で,経済成長における技術進歩の寄与度が大きくなっており,経済活動における技術の役割はますます高まってきている( 第1-1-3図 参照)。

他方,産業部門について業種別に総投資額及び全産業研究費中の比率で国際比較を行った場合( 第1-1-4図 ),まず,電気・電子の分野では,研究費の比率は各国ともかなり似ているが総額で米国,日本,西ドイツの順になっており,科学技術水準の面でも全体としてこの順になっていると見られる( 第1-1-1図 及び 第1-1-2図 参照)。

次に化学・医薬の分野では,比率の面で西ドイツが高いが総額では米国が多く,日本,西ドイツがほぼ並んでいる。技術的に見ても米国,西ドイツに比べて我が国は研究開発ポテンシャルは同等と見られるものの,やや下の水準のものが散見される。また,自動車は電気・電子に似た構造になっている。

これに対して航空機では,我が国の投資はほとんどなく,比率,総額とも米国が断然上にあり,これが技術水準の面でも投影されている。一方,鉄鋼では比率,総額とも日本が他を抜いて大きく,窯業でもかなり大きくなっており,産業による研究開発投資が相対に大きい分野では全体として欧米より技術水準の高いものが多いと見られ,貿易収支でも大きく出超となっている( 第1-1-5図 )。

第1-1-3図 経済成長と技術進歩の寄与度

さらに,国全体としての基礎研究への投資について見ると,基礎研究費比率は低下しているが,額としては近年順調に伸びてきている。この結果, 第1-1-6図 に見るように西ドイツ,フランスの水準に並んだものの,米国にはまだ大きく水をあけられている。また成果の面でもこれまでの蓄積の差もあって 第1-1-7図 に見るように代表的な国際的専門誌に採択された先端的科学技術論文の数で米国とは大きな差になっている。

第1-1-4図 業種別の研究費とその比率

このように国内における投資比率及び研究費総額と科学技術水準及び研究開発ポテシャヤルはかなりの強さで関連性を有しており,科学技術については「努力するものは報われる」結果になっていることから,民間における研究開発投資へのインセンティブは高まっている。

第1-1-5図製品別の貿易収支比


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