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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
3.  科学技術情報の流通体制の整備
(1)  科学技術情報の全国的流通システム(NIST)の概要



(1) NISTの経緯

我が国における科学技術政策の基本を定める科学技術会議においては,設置当初より,科学技術情報流通の問題を重要事項の一つとして検討していたが,一昭和44年10月に至り,内閣総理大臣の諮問第4号「科学技術情報の流通に関する基本的方策について」に対して,「科学技術情報の全国的流通システム(NIST)」の構想を答申した。

この答申は,科学技術に関する諸活動の効率的な推進のためには,科学技術情報流通の円滑化を図ることが重要であり,このために各種情報機関を有機的に結合させ,全国的な流通システムを整備確立することの必要性を指摘したものである。

NIST構想が答申されて以来,科学技術庁は,その整備に資するため,NISTの総合的な機能分析を行ったが,昭和48年2月には,更にその具体化を図るため,科学技術情報懇談会を開催して,その意見を聴し,関係16省庁等の協力の下に昭和49年8月に,「科学技術情報の全国的流通体制の整備に関する報告」を取りまとめた。

その後,情報要求の高度化,海外の情報サービス産業の発展,情報処理技術の進捗等,科学技術情報を取り巻く情勢に著しい変化が見られることにかんがみ,昭和53年5月より科学技術庁において科学技術情報活動推進懇談会を開催して,今後のNISTの整備についてその意見を聴し,同年12月に,報告「科学技術情報活動推進の目標と施策について」を取りまとめた。


(2) NISTの基本的考え方とフレームワーク

NISTは,多くのサブシステムの自立的活動を基本とし,国がその間の分担・協力を図ることにより,利用者の多様な要請に対応する・システムであり,以下の基本的考え方に立っている。

(イ) 科学技術情報活動を,総合的かつ長期的観点に立って計画的に進めるべきこと。
(ロ) NIST計画は,関係機関の緊密な協力の下に国家的視野から実施すること。
(ハ) ユーザーの情報需要に密着した活動を展開すべきこと。
(ニ) NISTと他の情報システムの連携を図ること。
(ホ)科学技術情報の流通活動は,国際的な協調の理念に基づいてこれを推進すべきこと。

そのフレームワークと,各構成機構の役割は第3-4-2図及び第3-4-3表のとおりである。

第3-4-2図 NISTの基本的フレームワーク

第3-4-3表 NIST構成機構の役割


(3) NIST整備のための施策

上述の「科学技術情報活動推進の目標と施策について」において当面の重要課題として,次の7項目を挙げている。

(イ) データベース拡充
(ロ) オンラインサービスの拡充
(ハ) 一次情報サービスと各種案内サービスの強化
(ニ) 国内諸機構の育成
(ホ) 国際協力活動の推進
(ヘ) 科学技術情報活動の円滑化
(ト) 筑波地区におけるモデル活動の推進

なお,これらの施策の具体化として,科学技術振興調整費により「ネットワーク共用による化合物情報等の利用高度化に関する研究」(昭和56〜61年度)及び「日英科学技術文献の速報に関する研究」(昭和57〜60年度)が実施されている。前者は,化合物情報等の科学技術情報に係るオンラインネットワークシステム形成に必要な応用ソフトウェアの開発及び各省庁の試験研究機関等に所在する化合物データを総合的に利用する化合物総合データベースシステムの形成に関する研究であり,これにより,各機関に所在する化合物情報等の科学技術情報を,必要に応じ,自由に利用することが可能となり,我が国の研究開発全般にわたって研究効率の飛躍的向上が期待されるものである。後者は,日英(英日)の自動翻訳システムの開発に関する研究であり,これにより,諸外国との科学技術文献の交流促進が期待されるものである。また,昭和58年度からは同じく科学技術振興調整費により「科学技術情報の国際的流通のあり方に関する調査研究」が2か年計画で開始されているが,これは今後の科学技術情報流通の国際的流通のあり方に関する総合的政策を検討していくうえでの基礎資料を得るものである。

このほか, NISTにおけるドクメンテーション及び情報処理技術の標準化のために,科学技術情報流通技術基準(SIST)の作成が昭和48年度から行われている。


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