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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動の推進
5.  創造的研究開発の推進
(1)  創造科学技術推進制度



(1) 経緯

科学技術立国を志向する我が国にとって,従来の導入技術依存型の体質からの脱脚を図り,自らの力で革新技術の源泉となる科学技術の芽(シーズ)の探索に努めることが重要である。

科学技術庁は,このような観点から,昭和56年度に創造科学技術推進制度を創設し,その推進母体として,新技術の委託開発,開発あっせん等の業務を通じて大学,国・公立試験研究機関等の研究者と産業界とを結びつけて,企業化開発プロジェクトを組織する機能とその実績を有していた新技術開発事業団を活用することとした。

本制度の特徴は,創造的な研究活動には優れた個人の才能と弾力的な研究運営が不可欠であるとの認識のもとに,「人」中心に徹した仕組み(流動研究システム)を採用している点にある。

制度発足後3年目を迎え,研究は,順調に進捗しており,注目すべきシーズが探索されつつあるところである。


(2) 制度の概要

(イ)本制度は,産・学・官にわたる研究者の優れた発想を発掘・登用するため,これらの研究者を終身雇用制の長所を生かしつつ組織の壁を越えて創造的研究活動に結集する「人」中心の新しいシステム(流動研究システム)により,我が国独自の革新技術のシーズを効率的に創出していこうというものである。

(ロ)研究の方法は,以下のとおりである。

1) 卓越した洞察力と指導力とを備え,研究主題について幅広い識見を有している者をプロジェクトリーダーとして任命する。プロジェクトリーダーには,一定範囲内で研究運営に関する裁量権を与え,その下で研究の総合的推進を図る(プロジェクトリーダー制)。
2) 産・学・官・海外から,取り上げる研究プロジェクトに関連する研究に従事している優秀な人材を集め,これを研究グループに組織する。研究施設は既設の民間研究所等を活用する。
3) 研究者は,その所属研究機関に在籍のまま,又は,復帰することを前提として,所属機関との調整を図った上契約により一定期間(例えば5年間)研究プロジェクトに参加し,研究終了後研究グループは解散する(一定期間,契約による参加)。
4) 研究プロジェクトの推進に当たっては,研究者の独創性を活かし,予想されなかった発見や発明が引き出された場合,その新たな展開を積極的に進める等研究過程で研究目標を弾力的に変更できるような柔軟な運営を行う(弾力的な運営)。
5) 産・学・官の優れた研究者,特に,民間企業の研究者の参加意欲を促すようインセンティブに関し配慮する。特に研究中に生じた工業所有権等については,新技術開発事業団と発明者との共有とし,研究期間終了後発明者から派遣元への移管を可能としている(インセンティブ)。


(3) 研究プロジェクトの概要
(イ)昭和56年10月に4研究プロジェクト,昭和57年10月及び昭和58年10月にそれぞれ1研究プロジェクトが発足している。各研究プロジェクトの概要は,第3-2-10表のとおりである。
(ロ)各研究プロジェクトは,3〜5の研究グループにより構成され,1プロジェクト当たりの研究者数は20人前後である。また,研究期間は,5年間を一応の限度としている。
第3-2-9図 創造科学技術推進制度の概要


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