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第1部   21世紀の新たな技術の創出を目指して
第3章  科学技術統計から見た基礎的研究
1.  全般的特徴
(2)  組織別の基礎研究費比較


各国の研究開発実施機関は,産業,政府研究機関,大学及び民営研究機関から構成される。各々の基礎・応用・開発別研究費比率を第1-3-2図に,また,組織別の基礎研究費の比較を第1-3-3図に示す。

いずれの国も大学の基礎研究費比率が高く,産業における基礎研究費比率が低い。また,いずれの国も基礎研究費の過半数が大学で使われている。フランスとイギリスでは,大学においてそれぞれ89.3%,95.2%と基礎研究費比率が高い。両国の大学研究者に基礎研究への指向が強いことが推測できる。

政府研究機関と民営研究機関の基礎研究費比率は,大学と産業の間に位置しているが,その比率は国によって差が大きい。

民営研究機関は,営利を目的としない公益法人組織の研究機関である。我が国の民営研究機関の基礎研究費比率が低いのは,研究費のうち50%以上がエネルギー研究開発に使われる(昭和57年度2,442億円のうち,1,375億円がエネルギー研究で56%を占める。)など,比較的開発研究の比率が高いためと考えられる。

第1-3-2図において,欧州主要3国に比べ,日本と米国の政府研究機関の基礎研究費比率が低いが,これは,日本ではエネルギー,宇宙などの基礎研究費比率の比較的低い国家的プロジェクトの研究費が,政府研究機関の全研究費の中で比較的大きな割合を占めていることが大きな理由であり,米国の場合,比較的基礎研究費比率の低い国防省関係の研究開発が全政府研究機関の研究活動の半分以上(約55%)を占めているためと考えられる。我が国の国防関係の研究費が少ないことを考慮すれば,米国の政府研究機関における非国防関係の基礎研究費比率は,我が国よりかなり高いと考えられる。

第1-3-1表研究費及び基礎研究費の推移(各国比較)


第1‐3‐2図 組織別の性格別研究費構成比(各国比較)

第1‐3‐3図 組織別基礎研究費(各国比較)

また,第1-3-3図において,日本と米国の政府研究機関の全基礎研究費に占める比率が小さいのは,国の研究費総額に対する政府研究機関の研究費の割合が低く,かつ,先に述べたように基礎研究費比率が低いことによる。

一方,欧州主要3国では,政府研究機関の基礎研究に果たす役割が,日米両国と異なり産業よりも大きいが,これはフランスとイギリスでは,政府研究機関の研究費の研究費総額に占める比率が大きく(大学の研究費よりも大きい。),また,基礎研究費比率も比較的高いためであり,西ドイツでは,政府研究機関の研究費総額に占める位置は日本と同じだが,政府研究機関の基礎研究費比率が高いためである。


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