? 昭和58年版科学技術白書[第3部 第4章 9 (1)]
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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
9.  科学技術関係審議会などの活動状況
(1)  科学技術会議



1) 科学技術会議の機能強化

我が国を取りまく内外の諸情勢が厳しさをます中で,経済的社会的諸問題解決の鍵として,科学技術の重要性に対する認識が一層高まっており,これに伴い,昭和57年7月の臨時行政調査会基本答申等において科学技術会議の機能強化を求める意見が出されるに至った。

このため,第33回本会議(昭和58年3月)において,科学技術会議における重要事項の適時,的確な処理を行い,機動的かつ弾力的な科学技術政策の展開を図るため,学識経験議員を含む各界の有識者で構成される政策委員会が新たに設置され体制の強化が図られた。


2) 諮問第11号

我が国の科学技術政策は,昭和52年5月に科学技術会議が答申した「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」(第6号諮問に対する答申)に基づいて推進されてきた。しかしながら答申以来6年余を経過し,科学技術そのものの広範かつ急速な進展を見るとともに,世界経済の停滞,国際的あつれきの増大,国内における社会の成熟化,高齢化の進展,産業構造の変化等科学技術を取りまく情勢は,大きく変化してきている。このため昭和58年3月,内閣総理大臣から,このような新たな情勢変化に対応し,長期的展望に立った科学技術振興の総合的基本方策について諮問(第11号)があった。

これを受けて,創造性豊かな科学技術の進展,科学技術と人間社会との調和,国際社会の発展への寄与等に配慮しつつ,新たな科学技術政策指針となる答申を策定すべく検討を進めている。


3) 科学技術振興調整費の運用方法

科学技術振興調整費は,国全体として調和のとれた科学技術の発展を図るため,昭和56年度に創設された制度であり,科学技術会議の定める方針に従って,ライフサイエンス,極限科学技術及び材料科学技術の三分野の研究開発の重点的推進等特に政府全体として必要となる研究開発の総合的推進を図っている。

昭和57年度科学技術振興調整費の運用については,

・ライフサイエンス,極限科学技術及び材料科学技術の三分野の重点的強化
・科学技術面における積極的な国際対応
・研究開発の推進方策等に係る調査,分析の強化

等を基本とした具体的運用方針を定め,その具体的運用を図っている。

また,昭和58年度における科学技術振興調整費の運用の方針についても,3月10日「昭和58年度科学技術振興調整費運用の考え方」を定めた。今後はこの考え方に従って詳細を検討して具体的な運用について取りまとめていくことにしている。


4) 以上のほか次のような事項について基本的かつ総合的な方策の調査検討を進めている。

・科学技術政策立案のための基礎調査

的確かつ効果的な科学技術政策の確立のためには,科学技術を取りまく情勢の変化と将来の展望を的確に把握し,今後推進すべき研究開発の在り方を明らかにしておかなければならない。このためには,科学技術会議自らがそれらに必要な基礎データを収集し,その集積の上に立って的確かつ先見性ある科学技術政策を樹立する必要がある。
このため,57年度においては,科学技術振興調整費を用いて,前年度に引き続き科学技術に対するニーズ及び科学技術のシーズ,国際協力の条件,研究評価の在り方等について調査,分析を進めるとともに,新たに我が国の研究開発のポテンシャルの調査等を行った(内容については,付属資料16参照)。

・産・学・官連携問題

我が国が創造的科学技術を振興するに当たって,産・学・官の有機的連携を促進することが臨時行政調査会をはじめ各界から強く要請されていることにかんがみ我が国の研究開発における産・学・官の役割分担と連携の基本的在り方を明確化した上で,各種プロジェクトにおける連携制度,国有研究設備の共同利用,研究成果に係る民間へのインセンティブ措置等について現状の問題点及び具体的改善方向等について調査検討を進めている。

5) 諮問第10号に対する答申

諮問第10号「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術の研究開発基本計画について」に対する答申については,ライフサイエンス部会において,取り上げるべき技術の範囲について検討を進め,現在,先導的・基盤的技術研究開発基本計画分科会を設置して計画の詳細について検討を行っている。


6) がん研究推進の基本方策

第33回本会議(昭和58年3月)において,

ア がんは,国民の総死亡の約24%を占める最大の死因であること。
イ 一方,分子生物学の進展等により,がんの本態解明に今一歩のところまで迫り,予防,診断,治療に一大飛躍が期待できる時期に到達していること。

といった状況を踏まえ,内閣総理大臣からがん研究推進の基本方策について科学技術会議において検討するよう指示があり,これを受けてライフサイエンス部会の下に昭和58年3月28日がん研究推進基本方策分科会を設けた。


7) 組換えDNA実験指針

ライフサイエンス部会では,「組換えDNA実験指針」(昭和54年8月27日内閣総理大臣決定)について,常に最新の科学的知見を踏まえたものとなるよう調査,審議を行ってきているが,学術審議会における検討状況にも配慮しつつ,昭和57年7月29日同部会は,物理的封じ込めレベルの緩和を主眼とした実験指針改定案を決定した。

さらに,実験指針に基準が示されていない20リットルを超える組換え体の大量培養実験について,組換え体大量培養実験ワーキング・グループを設けて,これに適用すべき基準を策定するための検討を進めた。


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