? 昭和58年版科学技術白書[第3部 第4章 6 (1)]
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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
6.  特許制度の国際化への適切な対応
(1)  パリ条約の改正


工業所有権の保護に関するパリ条約は,同盟国民に対する内国民待遇,優先権制度,各国特許の独立の3点を主な内容とするもので,1883年に締結され,我が国も1899年に加盟している。

パリ条約を基礎とする国際特許制度に対しては,開発途上国に対する技術移転問題の一環として再検討すべきことが国連・UNCTAD等の場で提起されていたが,1974年インドが77グループ(開発途上国グループ)を代表してWIPOにパリ条約の改正を検討することを提案したのを受けて,1975年WIPOに政府専門家ベースの委員会が設けられ改正の検討が始められた。

主な問題点として,発明者証,特許の不実施に対する措置,非相互主義的特恵措置,原産地名称と商標の抵触等について検討が行われており,1980年2月に第1回外交会議が開催されたが,主として改正条約採択のための議決方法についての調整が行われたのみであったため,1981年9月には第2回外交会議が開催され,主として新5条A(特許発明の不実施に対する制裁措置等)について審議が行われ,米国,カナダ,オーストラリア等を除く市場経済国の大多数の国と開発途上国,社会主義国の間で一応の合意が得られた。

さらに1982年10〜11月に,第3回外交会議が開催され,主として第10条の4新設問題(原産地名称と商標の抵触)及びこれに関連する第6条の3改正問題(国名の保護)について審議が行われた結果,「正式国名」について国の紋章,旗章などの保護を規定する現行パリ条約第6条の3において,これを追加的に規定して保護すべきとする77グループ(開発途上国)案が,メイン委員会上全員一致で採択され,起草委員会に送付されることとなった。

また,新5条Aについては,米国のイニシァティブの下にナイロビにおける合意を見直す方向で検討がなされたが合意に至らず次期会期に持ち越された。

今後の予定としては,1984年2〜3月にジュネーブにおいて第4回外交会議が開催されることとなっている。


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