? 昭和58年版科学技術白書[第3部 第3章 2]
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第3部   政府の施策
第3章  民間などに対する助成等
2.  新技術の委託開発と開発あっせん


危険負担を伴った技術開発を積極的に推進し,また,研究投資の重複を避け効率的な研究開発を図るために技術移転の促進等の施策が要請されており,科学技術会議による「技術移転の推進に関する意見」(昭和55年8月)においても,各種の技術移転を実施する新技術開発事業団等に所要の整備を行う必要があるとの意見が出されている。

一般に自ら技術開発を行う場合には常に失敗の危険がつきまとい,特に高度な技術ほどこの危険は大きく,ややもすれば新しい技術の開発に消極的となりやすい。このため,新技術開発事業団では,優れた技術でしかも実用化に当たり大きな困難が予想されるものについてこれを企業化し得るものとするため,成功払いを条件として企業に開発費を交付する委託開発制度を設けている。また,委託開発の結果得られた成果が産業界において広く実施されるよう,開発成果の普及活動も行っている。また,同事業団では,新技術の開発あっせん制度により,大学,国・公立試験研究機関等の未利用特許を対象とした技術移転活動を行っている。

さらに,企業等のニーズを広く調査,収集し,それにこたえる新技術を積極的に技術移転していくニーズ指向の技術移転活動の強化を図るとともに,海外に対しては,あっせん可能な技術を英文紹介誌により紹介することにより,海外に対する技術のあっせんを行っている。

昭和57年度末現在までの委託開発,開発あっせんの結果を見ると,委託開発は開発成功課題158件(88%),不成功10件(6%),中止10件(6%)となっており,昭和57年度において,「合成アパタイトによる人工歯および人工骨の製造技術」,「携帯型電子走査超音波診断装置」,「金属水素化物を用いた冷暖房システム」など13件の技術開発に成功したほか,新たに「携帯型人工膵臓の製造技術」,「アモルファスシリコンカーバイドを用いた高効率光電池の製造技術」,「エノキタケ由来制がん剤の開発」など15件の技術開発に着手した。

開発のあっせんは,あっせん成立課題186件(253社)となっており,昭和57年度においては,「バイモルフマイクロポンプ」,「高品位立方晶窒化ほう素の製造法」,「鉄一チタンー酸素系水素貯蔵用材料」など,22課題(30社)のあっせんが成立した。

同事業団の委託開発及び開発あっせんの状況は,第3-3-4表のとおりであり,近年,新材料,バイオテクノロジー等の先端的・基盤的技術開発及び医療,福祉等の公共的技術開発の要請が増大していることから見て,同事業団の役割に対する要請は今後ますます大きくなっていくものと考えられる。

第3-3-4表 委託開発及び開発のあっせんの状況

なお,特に中小企業を対象としたものとしては,都道府県等の公設試験研究機関において技術移転の指導・技術導入のあっせん等を行っているほか,中小企業事業団において,中小企業者,公設試験研究機関等では対応不可能な新技術の委託開発を行い,その成果の普及に努めるとともに,技術移転,技術交流促進事業として1)公設試験研究機関を通じての中小企業への技術移転情報の提供・収集,2)公設試験研究機関で対応不能な場合の技術移転の指導及び,3)技術移転専門調査員を活用しての技術移転に必要な情報の収集,移転の可能性及びその効果についての調査,分析評価,移転あっせん等を実施している。


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