? 昭和58年版科学技術白書[第3部 第2章 6 (6)]
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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動の推進
6.  多分野の協力による研究開発の推進
(6)  材料科学技術の推進


近年,新エネルギー開発,省エネルギー技術開発,電子技術開発等の先端的科学技術の著しい進展に伴い,材料科学技術は,これらの分野を支え,ひいては将来の科学技術を左右する共通的・基盤的技術として,その重要性がますます増大している。

今日,材料に対する社会的ニーズは極めて高度化しており,これに対応して苛酷な要求条件を満たし得るような高性能な新材料の開発が不可欠となっている。このため関係省庁において,各分野の研究開発が推進されている。


(1) 我が国における材料科学技術

我が国においては,昭和52年5月,科学技術会議が諮問第6号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」に対する答申において先導的・基盤的な科学技術の領域の一分野として材料科学技術の重要性を指摘した。また,航空・電子等技術審議会は,昭和55年8月の諮問第5号「極限科学技術とこれに関連する材料の科学技術に関する総合的研究開発の推進策について」に対する答申において材料科学技術の施策の在り方について提言した。

このような状況の下で,関係省庁においては材料科学技術に関連した各種の施策が講じられている。

科学技術庁においては,材料科学技術全体に係る共通的・基盤的分野を推進するため金属材料科学技術研究所,無機材質研究所等において「極低温利用機器材料の研究開発」等金属材料の品質の改善を図るための研究,「超高温耐熱セラミックスの研究開発」等無機材質の創製に関する研究等を実施している。また,新技術開発事業団は,非晶質金属の製造技術等の材料科学技術の企業化のための委託開発を実施しているほか,創造科学技術推進制度により「超微粒子」,「特殊構造物質」,「ファインポリマー」に関する研究等を実施している。このほか理化学研究所,日本原子力研究所等においても材料科学技術に関する研究が実施されている。さらに,科学技術振興調整費により,「高性能材料開発のための表面・界面の制御技術に関する研究」,「無重力環境を利用した新材料の創製に関する研究」等の材料科学技術関係の研究プロジェクトが推進されている。

文部省においては,学術の振興を目的として科学研究費補助金等により大学を中心として材料科学技術の基礎的研究が行われている。

通商産業省においては,繊維高分子材料研究所において各種高分子材料の開発に関する研究が実施されているほか機械技術研究所,化学技術研究所,電子技術総合研究所等においてそれぞれ各種の目的に向けた材料開発が行われている。また,次世代産業基盤技術研究開発制度により,  「ファインセラミックス」,「高効率高分子分離膜材料」,「導電性高分子材料」,「高結晶性高分子材料」,「高性能結晶制御合金」及び「複合材料」に関して製造技術及び評価技術等基礎的・基盤的な研究開発が実施されている。


(2) 材料科学技術の推進

以上のような体制の下で,昭和57年度において政府が実施した主要な材料科学技術研究開発は以下のとおりである。


(イ) 耐熱・耐低温材料

高温ガスタービンやMHD発電等のシステムに必要な耐熱材料については耐熱合金,耐熱セラミックス,セラミックス分散強化型複合材料等の研究開発を実施している。また,核融合炉材料等の耐放射線性も有する耐熱材料の研究開発,耐低温材料として超電導技術の実用化に不可欠である極低温用構造材料の研究開発も行われている。


(ロ) 高性能構造材料

従来の材料に比し,格段に高い強度をもつ材料の開発を目的として結晶制御合金,高分子材料,高強度セラミックス,複合材料等の研究開発が行われている。また,海洋構造物用の材料として,耐海水性高強度鋼の研究開発が行われている。軽量材料としては,発泡金属の研究開発が行われている。


(ハ) 特殊機能材料

高効率送電・核融合炉用マグネット等に用いられる超電導材料として高磁界発生,耐放射線性等をもつ材料の開発を行っている。また,電子放射材料,オプトエレクトロニクス材料,強磁性材料,人工臓器用材料,選択透過材料等各種の機能材料の研究開発が行われている。


(ニ) 新しい加工技術

材料の性能の高度化に伴って,高性能被覆,高強度材料の加工,高精度加工を目的とした新しい加工技術の研究開発が行われている。


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