? 昭和58年版科学技術白書[第2部 第4章 3 (3)]
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第2部  科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
3.  二国間協力活動
(3)  開発途上国との協力



(1) 中国との協力

中国との協力については,1980年5月に締結された「日中科学技術協力協定」に基づき,1981年6月,第1回日中科学技術協力委員会が北京において開催された。これにあわせ,「ニオブを含む鉄鉱石の精錬に関する研究」の実施取極が締結され,共同研究が開始されたのをはじめとして,協力が活発化してきている。

また,1973年から農業技術関係の技術協力が開始されたのに続き,国際協力事業団を通じて1978年から鉄道関係の,1979年から経営管理,医療等の分野における技術協力が行われている。さらに,1979年からは日本学術振興会と中国科学院,中国教育部との間の覚書に基づく学術分野における研究者交流が行われているほか,文部省の実施する中国政府派遣研究員の受入れが行われている。このほか,東京大学と中国科学技術大学(合肥)との間で工学分野における研究協力が行われている。


(2) インドネシアとの協力

インドネシアとの協力については,1981年1月に「日本・インドネシア科学技術協力協定」が締結され,1982年1月同協定に基づき第1回日本・インドネシア科学技術協力協議がジャカルタにおいて開催され,また,これにあわせ,「植物の生物活性物質の農薬としての利用に関する研究」に関する実施取極の仮調印が行われた。


(3) 韓国との協力

韓国との協力については,1968年9月,ソウルで開催された鍋島・金両長官の第1回日韓科学技術大臣会談以来,5回の大臣会談と9回の実務者会議が開催された。現在,同会談を通じ,資源・エネルギー,農林水産,原子力安全,科学技術情報,理工学的分野,環境,防災科学分野などの各分野での協力を行うとともに,両国の各機関間の協力などを行っている。


(4) 開発途上国との技術協力等

我が国はこれまで,開発プロジェクトに関する協力,訓練指導に関する協力,研究協力などを通じて開発途上国の科学技術能力の向上に寄与してきた。しかし,諸外国の協力実績に比較すると,我が国は,これらの分野における協力をより一層強化すべき状況に置かれている。

まず,技術協力の実績を資金面から見ると,1981年における我が国の技術協力総額は834億57百万円であり,1980年の629億83百万円に比べ,32.5%,204億74百万円と大幅な増加を示した( 第2-4-1図 )。

しかし,政府開発援助に占める二国間技術協力額の比率は,1981年で経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)諸国平均の20.5%に比べ我が国は11.9%にすぎない( 第2-4-2図 )。また,DAC諸国における二国間技術協力を見ても,1981年で我が国は全体の7.2%とフランス(28.8%),西ドイツ(16.7%),米国(18.2%),イギリス(8.2%)に比べて一段と低い状況にある( 第2-4-3図 )。

第2-4-1図 我が国の二国間技術協力実績の推移

第2-4-2図 経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)加盟国 の二国間技術協力額の政府開発援助額に占める割合

第2-4-3図 DAC加盟国の二国間技術協力額対比(1981年)

次に,技術協力を態様別に見ると,まず,開発プロジェクトに関する技術協力は政府ベース,民間ベースでそれぞれ行われている。政府ベースでは,外務省交付金により国際協力事業団が行う開発調査事業(鉱工業,電力部門を除く),開発協力事業,産業開発協力事業,農林業協力事業などのほか,通商産業省委託費により国際協力事業団が行う海外開発計画調査事業及び同事業団が金属鉱業事業団と連携しつつ行う資源開発協力基礎調査事業がある。また,民間ベースでは,純民間活動として行う技術協力的事業のほか,関係官庁が(財)国際開発センターへ委託して行う総合的開発計画に関する調査,通商産業省の補助により(社)日本プラント協会が行う海外中小企業技術協力事業,同じく通商産業省の補助により(社)海外コンサルティング企業協会が行う海外コンサルティング振興事業,建設省の委託により(社)国際建設技術協会が行う海外建設計画事前調査事業及び海外建設技術開発事業,運輸省の補助により(社)海外運輸コンサルタンツ協会が行う運輸に関する海外技術協力振興調査事業,郵政省の補助により(財)海外通信・放送コンサルティング協力が行う海外通信計画調査事業等がある。

訓練指導に関する技術協力は,政府ベースについては外務省の交付金により国際協力事業団が中核となって研修員の受入れ,専門家の派遣,海外技術協カセンター事業,機材供与事業等により実施されている。民間ベースについては,各種の団体において研修生の受入れ,専門家の派遣に限らずそれぞれの特徴を生かした協力が行われている( 第2-4-4表 )。

第2-4-4表 訓練指導に関する主な民間技術協力団体

次に,政府ベース技術協力の地域別実績比率について見ると,1980年には,アジア地域が全体の44.8%(前年49.7%)と圧倒的に大きく,ついで中南米地域が19.2%(同19.9%),アフリカ地域が10.6%(同11.5%),中近東地域が7.4%(同8.7%)となっている( 第2-4-5図 )。

第2-4-5図 地域別技術協力実績比率(1981年)

開発途上国との協力にあっては開発途上国の実情に適した技術が開発されることが必要であるが,研究開発支出が少なく,人材の不十分な開発途上国にとって大きな困難が伴うものである。したがって,ピアソン報告,第3次国連開発の10年のための国際開発戦略などにおいて指摘されているように,先進国が開発途上国と協力して,開発途上国の国情,ニーズに合った技術の改良,新技術の開発又は研究開発の推進を目的とする研究協力を推進することが必要である。このため,農林水産省では昭和45年に熱帯農業研究センターを開設し,熱帯及び亜熱帯地域における農林畜産業に関する研究協力を実施している。通商産業省においても,昭和48年度から工業技術院傘下の試験研究機関を活用して,開発途上国に対する鉱工業技術分野での研究協力を中心とした国際産業技術研究事業を行うとともに,民間の活力を積極的に活用しつつ,開発途上国との共同研究を推進するための研究開発協力事業を行っている。

昭和51年度からは,科学技術庁,建設省においても開発途上国との研究協力を進めている。また,文部省においては,昭和53年度から日本学術振興会を通じて,拠点大学方式による交流等の発展途上国学術協力事業を行っている。

このほか,国際協力事業団においても開発途上国の開発研究能力の向上のための協力を実施しており,日本貿易振興会,新技術開発事業団,(財)特許情報センター,日本商工会議所等でも技術情報の提供,あっせん等に関する活動を行っている。


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