? 昭和58年版科学技術白書[第2部 第4章 1 (2)]
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第2部  科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
1.  主要先進国首脳会議(サミット)に基づく国際協力
(2)  科学技術等に関する作業部会


科学技術等に関する作業部会は,サミット参加の7か国(フランス,カナダ,西ドイツ,イタリア,イギリス,米国,日本)及びEC代表で構成された。昭和57年8月20田にその第一回会合が開催されて以来,7回の会合を通じ作業が進められ,昭和58年3月,序及び全6章からなる「技術,成長および雇用に関する作業部会報告」と題する報告書がサミット参加の各国首脳に提出された。

同報告書においては科学技術の雇用,労働,文化・教育に及ぼす効果,世界経済に与える影響,技術革新の推進に果たす政府及び公共部門,民間部門の役割について分析が行われるとともに,科学技術国際協力の必要性等を検討し,今後協力可能な国際協力プロジェクトの提案がなされている。

提案されているプロジェクトは,既存の国際協力の枠組において協力が進められている分野(4プロジェクト)及び新規に協力を進めるべき分野(18プロジェクト)に分けられ,さらに,新規分野は,エネルギー,食料,生活・雇用・環境の三分野に分類される。なお,我が国は,「成熟産業に対する新技術の影響」,「教育,職業訓練および文化に適用される新技術」の2プロジェクトを除く20のプロジェクトに参加を表明している。以下に22の具体的プロジェクトを示す。


1) 既存の科学技術国際協力の重要性に留意するもの
・宇宙の征服
・再生可能エネルギー
・軽水炉の安全研究
・深海掘削

2) 新しい国際協力または目的を拡大して実施するもの(カッコ内はリード国)
(ア) エネルギー資源のより良き管理による成長条件の刺激
・太陽光発電  (日本-イタリア)
・制御熱核融合 (米国-EC)
・光合成 (日本)
・高速増殖炉  (米国-フランス)

(イ) 食料のより良き管理
・食料技術  (フランス-イギリス)
・水産養殖  (カナダ)

(ウ) 生活条件,雇用および環境保護の改善
・宇宙からのリモート・センシング (米国)
・高速鉄道            (フランス-西ドイツ)
・開発途上国の住宅および都市計画 (フランス)
・先端ロボット           (日本-フランス)
・成熟産業に対する新技術の影響  (フランス-イタリア)
・バイオテクノロジー         (フランス-イギリス)
・新材料および標準        (米国-イギリス)
・教育,職業訓練および文化に適用される新技術(フランス―カナダ)
・新技術の社会的受容性      (英国)

(エ) 基礎的科学知識の一般的増大
・生物科学   (EC)
・高エネルギー物理 (米国)
・太陽系探査    (米国)

新規プロジェクトのうち,我が国がリード国となっているものは,光合成,太陽光発電,先端ロボットの3プロジェクトであり,また,既存の枠組のプロジェクトのうち,我が国が中心となって進めているものは軽水炉の安全研究である。これらのプロジェクトについては我が国がリーダーシップをとり,参加を表明した各国との協力の下に積極的にプロジェクトを推進することとしている。

なお,同作業部会は,作業部会の下での協力は,将来の行動のための確固たる基礎を形成するものであり,他の適当な場において継続されるべきであると述べるとともに,科学技術が経済成長と雇用を向上させ,文化と教育に刺激を与える上で果たしうる役割を念頭におきつつ,サミット参加国首脳がその政策立案に当たり科学技術を考慮にいれ,かつ科学技術を将来のサミットにおける検討課題として継続して取り上げる旨勧告を行った。

昭和58年5月,米国のウイリアムズバーグで開催された第9回サミットにおいて同作業部会の上記報告書とその中で提案された国際協カプロジェクトを了承するとともに,次回のサミット(イギリス)で更に報告を受けること及び環境保全,天然資源利用,健康に関する研究協力の強化の二項目が採択された。


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