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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
9.  科学技術関係審議会などの活動状況
(1)  科学技術会議


我が国の科学技術政策は,昭和52年5月に科学技術会議が行った「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」(第6号諮問に対する答申)に基づいて推進されており,本答申は,我が国の社会,経済を取り巻く厳しい制約を克服して,将来の我が国の基盤を確固たるものとするための,今後10年間にわたる国全体の科学技術活動の指針となるべき基本的な計画を確立しようとするものである。

本答申は,科学技術とこれをめぐる情勢の変化の分析,さらに将来展望を行い,科学技術政策の目標として,1)資源制約の克服,2)環境,安全問題の解決など望ましい生活環境の創造,3)国民の健康の維持,増進,4)国際社会との協調及び国際競争力の培養,5)先導的・基盤的科学技術の推進,6)基礎科学の振興等を設定するとともに,これらの科学技術政策目標を達成するための施策として,1)計画・調整機能の強化,2)研究開発における官・学・民の有機的連携の強化,3)研究開発資金の充実,4)人材の充実,5)基礎科学の振興,6)国民の理解と協力,7)地方における科学技術活動の推進,8)科学技術情報の円滑な流通,9)国際社会における科学技術活動の展開を挙げ,さらに,上述の科学技術政策の目標と関連した幾多の重要研究開発課題を示している。

科学技術会議は内閣総理大臣より諮問第9号「防災に関する研究開発基本計画について」(昭和54年12月)を受け,研究目標部会において審議を重ね,昭和56年7月6日(第29回本会議)に答申を行った。

本答申には,防災研究開発に当たっての基本的な考え方として,1)防災科学技術の基礎の充実,2)災害の地域性の考慮,3)都市災害に対応する研究開発の推進及び4)防災に関する研究開発の総合的推進の4項目を掲げるとともに,重点を置くべき研究開発として,地震予知,洪水の防止,都市の防災化のための技術など17分野が示されている。なお,政府は同答申を総理大臣決定による国の基本計画として定め(昭和56年7月22日),今後おおむね向う10年間の自然災害防止に関する研究開発を進めていくこととなった。

また,科学技術会議の機能強化の一環として,昭和56年度から同会議の方針に沿って運用する科学技術振興調整費の制度が設けられた。

この制度の概要については,第3部第2章第4節に述べたとおりであるが,この制度の下に,科学技術会議の政策立案に資するため,昭和56年度には「今後推進すべき研究開発の総合的な調査,分析」として三つの調査研究(内容については付属資料16参照)に着手した。これは,我が国が,長期展望に立って科学技術政策を確立していくためには,科学技術を取り巻く情勢の変化と将来の展望を的確に把握し,今後推進すべき研究開発の在り方を明らかにする必要があるが,そのためには,科学技術会議自らがそれらに必要なデータを収集し,その集積の上に立って的確かつ先見性ある科学技術政策を樹立しようとするものである。

次いで,第30回本会議(昭和56年11月)において,運営会議の活動について報告が行われ,了承された。

その報告によると,1)我が国の社会経済の発展と国民生活の向上を図り,国際社会の平和と繁栄に貢献していくためには,更に科学技術の振興を図る必要があるので,政府は昭和57年度予算編成に当たっても科学技術関係予算について特段の考慮を払うべきである,2)各省庁は,それぞれの政策目的に沿って科学技術の振興に力を注いでいるところであるが,さらに総合的に科学技術行政を推進していくためには,その具体的な方策の一つとして科学技術振興調整費を活用することが極めて重要であり,一層の充実を図っていく必要がある,3)我が国が科学技術立国を指向して効果的に研究開発を推進していくためには,特に(ア)基礎研究の推進,(イ)革新技術のシーズの探索,育成,(ウ)重要研究開発の総合的推進等をより一層強力に展開していく必要がある,4)基礎科学の分野において,科学技術の振興に重要な役割を果たしている大学については,研究者の自由な発想による独創的研究を一層推進するため,研究組織の整備,国際交流の充実等の基盤的研究環境の整備及び優れた研究を特に促進するための科学研究費等の充実など所要の施策を講ずる必要がある,5)国立試験研究機関,特殊法人研究機関等については,研究の推進を図るとともに,研究者の流動化の促進,共同研究の推進,筑波研究学園都市における研究交流の活発化等,研究の有機的連携の強化,国際交流の活発化,研究環境の整備等その一層の活性化を図るための措置を講ずる必要がある,6)民間企業における研究開発については,その活力を維持,かん養するため,大学,国立試験研究機関等における研究の成果の活用方策,国の推進する研究開発への民間企業の参加意欲を高める方策等の拡充,税制上の優遇措置(56年度末で研究投資優遇措置が切れるのでその拡充・延長)等の税制施策の活用などを進める必要がある,等政府が当面実施すべき科学技術に関する重要施策についての見解が示されている。

さらに,第31回本会議(昭和57年3月)において,昭和57年度科学技術振興調整費の運用の考え方について報告が行われ,了承された。

その運用の考え方によると,今後の科学技術政策を推進するに当たっては,我が国が自ら独創的革新的技術を開発する体質へ転換する必要があること,我が国は科学技術の面でも先進国の一員として国際社会に積極的な役割を果たすこと,社会的要請を的確に把握しつつ,国民生活に密接に関連した科学技術の推進を図る必要があることを特に考えていく必要があるとされている。また,具体的には1)革新技術を生み出す可能性が高いライフサイエンス,材料科学技術及び極低温や超高圧など極限科学技術に重点的に配分する,2)国際共同研究を推進する,3)総合的かつ効率的な研究開発の推進方策の検討,研究課題の設定等に必要な調査,分析を強化し,共通基盤的な研究支援分野についても調査,分析を行う,4)研究開発等の推進に当たって民間の活力を積極的に活用する,などを基本に置くこととしている。

なお,昭和56年11月,内閣総理大臣より出された諮問第10号「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術の研究開発基本計画について」に関しては,現在,ライフサイエンス部会において鋭意審議検討を進めている。


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