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第1部   創造性豊かな科学技術を求めて
第2章  自主技術開発への展開
第2節  自主技術開発へ向けての研究開発の動向
3.  創造的研究開発推進に対する政府の役割と施策


前項では民間において自主技術開発に向けて意欲的に取り組んでいる様子を見たが,ここでは科学技術振興における政府の役割と特に今日課題となっている創造的自主技術開発に対する施策の新しい動きを紹介しよう。

我が国の研究費総額のうち,政府(国及び地方公共団体)は4分の1強を負担しているが,この政府負担研究費の約8割を負担する国に焦点を当てて,その役割を見てみよう。科学技術における国の役割は,これまで述べたような民間の優れた能力を最大限に発揮させることに配慮しながら我が国全体の科学技術の水準向上を図ることであると言えよう。このため,国としては以下のような考え方に立って種々の施策を行っている。

まず,国が中心となって研究開発を推進する必要がある分野としては,1)大学などにおける基礎科学研究,2)リスクの高い革新技術開発及び基盤的分野の研究開発,3)原子力・新エネルギーをはじめとするエネルギー,宇宙,海洋開発などの大規模プロジェクト開発,4)社会経済ニーズが極めて大きく,緊急な対応を必要とする研究開発,5)防災,保健・医療,福祉などの公共的ニーズに基づく研究開発,6)農業など事業者自体の研究開発能力に期待できない分野の研究開発,などがある。

また,民間で実施する研究開発に対して国は,優遇税制などによって民間の自主的努力を誘導するとともに,社会経済上の要請に応じて補助金,融資等により民間の負担軽減措置を講じ,研究開発の促進を図ることとしている。

国は従来より,中・長期的視点に立って研究開発を推進してきたが,創造的自主技術開発という観点を一層重視し,昭和56年度に創造科学技術推進制度,次世代産業基盤技術研究開発制度,科学技術振興調整費の三つの制度を創設した。各制度の詳しい内容については 第3部第2章 に譲ることとして,

ここではその概略を紹介する。

創造科学技術推進制度及び次世代産業基盤技術研究開発制度の概要は 第1-2-11表 に示すとおりである。これら二つの制度は,いずれも,我が国が欧米先進国に立ち遅れていると見られる波及効果の大きい革新的な科学技術を自ら生み出すことを目指すものである。創造科学技術推進制度は,卓越したリーダー(総括責任者)の下に企業,大学,国公立試験研究機関さらに海外から組織の壁を越えて研究者を結集する画期的な流動研究システムによって,革新技術のシーズを探索するものであり,次世代産業基盤技術研究開発制度は,産・学・官の協力による並行開発方式によって革新技術シーズの実用化への途を開こうとするものである。

第1-2-11表 創造科学技術推進制度及び次世代産業基盤技術研究開発制度の概要

科学技術振興調整費は科学技術会議の方針に沿って1)革新技術のシーズの探索等の先端的,基礎的な研究の推進,2)複数機関の協力を要する研究開発の推進,3)産・学・官の有機的連携の強化等の諸点を基本として,社会的,国家的ニーズの強い研究開発を総合的に推進しようとするものである。

このように政府においても創造的自主技術開発へ向けて積極的な施策を展開している。


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