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第1部   創造性豊かな科学技術を求めて
第2章  自主技術開発への展開
第1節  我が国の科学技術を取り巻く環境の変化
  (国際的貢献の必要性の増大)


1982年6月にフランスで開催された第8回主要国首脳会議において,初めて科学技術が議題として取り上げられ,失業の増大,貿易の停滞,保護主義の台頭などにみまわれている世界経済の再活性化と成長を図るため,科学技術の発展を活用することの重要性が指摘された。これに対し,我が国の内閣総理大臣も科学技術を人類共通の利益のために活用することを目的として,研究開発における国際協力に積極的に取り組むことを表明した。この結果,科学技術の国際協力が必要であることについて各国首脳の間の意見の一致を見た。その具体的な実施方法については,現在各国の代表者からなる作業部会で検討が進められており,1983年の次回首脳会議にその結果が提出されることになっている。

このように従来の二国間,多国間の国際協力の枠に加えて,世界経済の再活性化というより具体的な問題についても国際協力が展開されようとしており,我が国としても先進国の主要な一員として科学技術の国際協力を通じて国際社会に貢献することが従来にも増して一層重要になってきていると言えよう。

また,外務省の「EC6か国対日世論調査(昭和57年1〜2月実施)」によれば,ヨーロッパ各国の有識者の多くが,我が国が国際社会に貢献すべき分野として,「世界経済の発展」とともに「科学技術の発展」を挙げており,我が国の科学技術の国際協力に対する海外からの期待も大きいことがうかがえる。

以上のような我が国の科学技術を取り巻く環境の変化を踏まえて,新たな観点から積極的な対応策を講ずることが必要になろう。

まず,科学技術に対する期待が大きくなっていることに対しては,科学技術基盤の整備を含む基礎研究から応用・開発研究に至るまで科学技術の総合的な発展を図るとともに長期的視点に立って先導的・基盤的な科学技術の振興を重点的に進める必要がある。また,技術導入の困難化に対しては,従来からの特徴である優秀な生産技術を発展させつつも自らの力で基本的な技術を開発していかなければならない,さらに,国際協力の必要性の増大に対しては,我が国の科学技術開発力を十分培い,高度の先端技術を駆使した協力が必要となろう。このように見てくると,我が国が今後とるべき方向としては,従来のような導入技術依存体質を脱却するため,創造的な研究開発を強化し,我が国の社会・経済の安定的発展と国際社会への貢献を可能にする科学技術を,自ら生み,育てることであると言えよう。


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