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第1部   創造性豊かな科学技術を求めて
第2章  自主技術開発への展開
第1節  我が国の科学技術を取り巻く環境の変化
  (技術導入の困難化)


既に見てきたとおり,これまでの我が国の科学技術を特徴づけてきた背景は海外に導入可能な技術が多く,またこれを容易に導入できたことであった。しかし,従来から指摘されていることであるが,このような技術導入は以下に述べるとおり次第に困難化しつつある。

我が国の科学技術水準が一部を除いてほぼ欧米の水準に達しつつあることや,科学技術水準の向上等によって産業の国際競争力が強化されたことに伴い,導入したいと思うような技術が海外に少なくなってきていること,相手側企業が我が国企業に対する警戒心から一方的な技術の提供に次第に消極的になっていること等導入可能な技術そのものが少なくなってきていると言われている。また,技術を導入する場合においてもクロスライセンス,資本参加等の交換条件の要求やロイヤリティの要求,輸出市場制限等の付帯条件が厳しくなっている等制約が強まっている。

例えば,互いに技術を交換するクロスライセンス契約件数は,昭和40年代半ばから増え始め,近年も全体の技術導入件数の増加率を上回る増加傾向を示している。また,導入技術を利用した製品の販売地域を日本のみに限定するという条件を付したものが昭和45年度には導入技術全体の17%程度であったものが,その後年々増加し,昭和56年度には約55%を占めるに至った。

以上のような技術導入の困難化は,導入技術依存型の科学技術の発展の条件が基本的に変化しつつあることを示すものであると言える。


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