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第1部   創造性豊かな科学技術を求めて
第1章  科学技術の成果とその特徴
第3節  基礎的段階における科学技術の水準
  (研究論文)


近年世界で発表される論文の量は,研究者数の増大,研究領域の多様化等により,著しく増大している。論文数の国別比率は 第1-1-36表 のようになっているが,そのうち自然科学全般の主要な学術雑誌等に投稿された比較的質の高いと思われる論文について見ると,米国が世界全体の論文数の4割以上と圧倒的な比重を占めている。これは多くの国の研究者が投稿する国際的な雑誌の大部分が英語を使用していることや,数多くの学術雑誌が米国で刊行されていることにもよると思われるが,いずれにしても米国が学術文献の生産において,世界の中心になっていることを示すものであろう。我が国は論文数では世界の約5.3%を占めるにすぎない。ただし,化学分野において世界の論文を網ら的に取り上げた分析によれば,我が国は1979年の1年間に世界全体の9.7%を生産し,米国,ソ連に次いで第3位である。1973年にはこの比率が7.5%であったから,近年我が国はその比重を増しつつあると言える。

次に我が国の論文を質的な面から見てみよう。発表された論文は,他の研究者によって引用され,新しい研究成果の展開に貢献していく。そのためより多くの研究者に引用される論文ほど,質的な水準が高いと考えることもできよう。米国の情報科学研究所の分析('Current Contents 1981.10.12.'掲載)によれば,引用事例の最も多い世界の科学者1,000人のうち日本人は19人,1.9%を占めるにすぎない。しかも,その約半数は米国の大学等に所属している研究者である。したがって,主として日本での研究業績が引用されている人は残りの半分しかいないことになる。日本国内での研究成果は,大部分が日本語で刊行され,翻訳や諸外国への紹介が容易でないこともあるが,この分析で見る限り,こうしたレベルの高い研究においては,我が国の世界に対する貢献度はまだ低いと言うこともできよう。

第1-1-36表 研究論文の収録状況


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