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第1部   創造性豊かな科学技術を求めて
第1章  科学技術の成果とその特徴
第1節  技術革新の進展
2.  生産工程における技術革新


技術の進歩が生産面に結びつく形態には様々なものがあるが,我が国においては低コスト化,高品質化等を図れるような生産・製造工程の機械化,自動化にそれがよく現われていると言われている。

新しい技術の進歩の中で最近特に注目されるのが,半導体技術の高度化を背景として著しく小型化,低価格化されたマイクロコンピュータを頭脳部分として組み込んだ高性能,多機能の新しい製造機械群が登場してきていることである。これらの機械群は一般にメカニズムとエレクトロニクスを複合した造語としてメカトロニクスと呼ばれており,それ自体が製品としての技術革新であると同時にそれを利用することによって生産工程の大幅な合理化,省力化,均質化等が可能となることから生産面の技術革新でもあると考えられる。従来の単能機械がコンピュータ制御で自動化した少品種大量生産ラインに適しているのに対し,メカトロニクスは多品種少量生産ラインに適した新世代の機械群であると言えよう。

第1-1-23図 はエレクトロニクス技術及びメカトロニクスの発展状況を表している。このうちNC(数値制御)工作機械(あらかじめ設定された容易に変更することが可能な数値データにより動作する工作機械)に示されるように,新しいエレクトロニクス技術がメカトロニクスヘ導入されるまでには数年しかかかっておらず,この期間は短縮する傾向すらある。また,マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)が開発されてからのメカトロニクスの発展が著しいのが明らかである。

第1-1-23図 メカトロニクスの発展状況

1960年代にはメカトロニクスの粋とも言える産業用ロボットが登場し,エレクトロニクス技術の進歩とともに機能・性能が高度化している。さらに1970年代後半からは各種メカトロニクス機器をコンピュータで群制御するような高度で柔軟性に富む生産シスム(FMS)が登場している。

現在,我が国の各産業においては,メカトロニクス化が急速に進行しており,これが我が国産業の国際競争力の強さの要因の一つとして取り上げられるまでになっている。生産面で用いられる代表的なメカトロニクスであるNC工作機械及び産業用ロボットの生産額を見ると, 第1-1-24図 に示すように,近年急速に伸びている。また企業への導入状況を見ても, 第1-1-25表 に示すように,大企業では既に7割近くが導入しており,中小企業においても5割を超える企業が導入済または導入希望をもっている。

第1-1-24図 NC工作機械及び産業用ロボットの生産額推移

第1-1-25表 メカトロニクス機器導入状況

このように,産業用ロボットをはじめとするメカトロニクスは近年急速に普及してきており,生産性の向上,製品精度の向上,省力化の推進等に大きく寄与している。


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