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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動
4.  多分野の協力による研究開発の推進
(2)  原子力以外のエネルギー研究開発


エネルギーの安定的確保を図るためには,前述の原子力のほか,新しい利用形態での石炭や太陽エネルギー等の自然エネルギーなど多様なエネルギー源を利用するとともに,エネルギーの一層の有効な利用を図ることが必要となってきている。

我が国において期待されるエネルギー研究開発分野は,原子力に加えて,化石エネルギー,自然エネルギー,エネルギー有効利用,そしてエネルギーの供給・利用に係る環境保全及び安全確保に大別される。

これらエネルギー研究開発については,科学技術会議による内閣総理大臣への答申を踏まえて,昭和53年8月に政府計画としての「エネルギー研究開発基本計画」が策定され,昭和55年7月に研究開発の進捗状況を勘案して,前年度に引き続き第2回目の改定が行われた。

また,エネルギー対策予算の拡充を通し,エネルギー研究開発関係の政府予算も大幅な増加が図られている。

現在及び近い将来とも,エネルギー供給の主役である化石エネルギーから順に,それぞれの分野においてプロジェクトとして研究開発が進められている課題を中心に紹介すると次のとおりである。

その豊富な埋蔵量により,原子力と並んで石油代替エネルギーとして期待される石炭については,クリーンなエネルギーとしての利用拡大に資するため,低カロリーガス化発電技術,高カロリーガス化及びプラズマガス化技術による石炭のガス化技術の研究開発及びソルボリシス液化法,直接液化法,溶剤処理液化法等の石炭の液化技術の研究開発が進められており,ほぼ小規模試験プラントの運転研究を行う段階に至っている。

また,石油・天然ガス資源の安定確保と海洋開発技術全般の向上を図るため大水深油田の油底石油生産に有効な海底石油生産システムの研究開発も進められている。

自然エネルギーの分野においては,国内エネルギー資源の供給増加に資するため,地熱,太陽,海洋,風力,バイオマス等の研究開発が行われている。

地熱エネルギーについては,地熱発電による出力は既に約16万kWになっているが,更に地熱資源の利用拡大を図るため,大規模深部地熱開発を促進するための探査・採取技術,環境保全技術の研究開発を進めるとともに,熱水利用発電技術,高温岩体発電技術,深層熱水供給技術等の研究開発が行われている。

太陽エネルギーについては,熱源として利用するための民生用太陽熱冷暖房・給湯システムの運転研究及び産業用ソーラーシステムの研究開発を進める一方,電力として利用するための太陽熱発電及び光発電システムの研究開発が進められている。このうち太陽熱発電システムについては電気出力1,000kWの2方式のパイロット・プラントの建設を完了させている。

海洋エネルギーについては,船型発電装置による波力発電の研究開発及び海洋温度差発電についての基礎的な研究開発が行われている。

風エネルギーについては,大型風力発電プラント開発のための調査研究及び風エネルギーを熱に変換して利用するための研究開発が行われている。

また,生物又は生物の光合成機構をエネルギーとして利用するバイオマスについては,炭化水素を生産するエネルギー植物の調査研究,光合成機構を利用した水素生産及び有機系太陽光電池等の研究開発が進められている。

エネルギー有効利用の分野においては,発電効率を飛躍的に向上させるための複合サイクル発電として,電磁流体(MHD)発電及び高効率ガスタービン発電,電力系統の効率化を図るための新型電池電力貯蔵システム,二次エネルギー利用の多様化に資するため経済的かつ大容量の水素の製造・輸送・貯蔵等を進める水素エネルギー技術,製鉄部門におけるエネルギー源の多様化等を図るため多目的高温ガス炉のエネルギーを製鉄プロセスに用いる高温還元ガス利用による直接製鉄(原子力製鉄),都市固形廃棄物を物質資源又はエネルギー資源として再生利用する資源再生利用技術システム,及びエネルギーの有効利用及び環境の保全を図るため工場等からの廃熱を効率的に回収利用する廃熱利用技術システムの研究開発が進められており,また,省エネルギー住宅システムの研究開発,農林水産業における自然エネルギーの有効利用技術の研究開発が行われるなど,産業,国民生活,輸送の広範囲において様々な方向から研究開発が着実に進められている。


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