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第1部   世界の中で
第4章  我が国科学技術の今後の課題
5.  自主技術開発の推進


第1章で述べたように,我が国の技術力,技術開発力はトータルとして米国,西ドイツに次ぐ水準となったが,米国に比べればまだ大きな格差があり,また他の先進国と比較すると科学技術の内容に均衡がとれていない面が多分にある。即ち創造的なものが少なく,輸入された技術を適用,改良し,生産力に結びつける点では優れている。

これは戦後,大きな格差のあった先進国に急速にキャッチ・アップするために大幅の技術導入を図ったという歴史的背景もあるが,その特徴は現在も依然として残っている。

しかし,我が国が従来得意として来た生産技術分野も,今後先進国との競争,中進国の追いあげが激化することが予想され,必ずしも楽観を許さない。また,これまで我が国の発展を支えて来た技術導入が困難化して来ていることを考え併せると,自主技術の強化は急務である。

一方,あらゆる技術の源泉となる基礎研究については,近代科学発祥の地であるヨーロッパは伝統的な強さを有しており,戦中,戦後は米国が大きな力を発揮している。第1章でも見られるとおり,我が国は残念ながらこの部門では弱く,今後他国に比肩できるに至るまでには大きな努力を要しよう。

第2章で述べたように,先進諸外国では1970年代に研究開発活動に停滞が見られた国もあるが,80年代を迎えてその重要性が改めて強調されるようになって来ている。

このことは,前述のOECDの科学技術委員会の「宣言」の中でも共通認識として見られる。

国によって科学技術振興の内容にはそれぞれ特徴があるが,民間の活力に基盤を置いた生産技術の向上が志向される一方,基礎研究の強化に力が注がれようとしている。

閣僚連絡会議は,自主技術開発について長期的視点に立って,基礎・学術研究の推進を図るとともに,エネルギー関連技術,創造的,基盤的・先導的な新領域技術,先端産業技術,生物資源活用技術等の開発を一層強力に推進する必要がある。

と述べている。

このようなことから,昭和56年度から科学技術庁では,前述の「創造科学技術推進構想」により,新技術の芽を探すこととしており,また通商産業省でも「次世代産業基盤技術研究開発制度」をスタートさせ,応用産業分野が広く,波及効果が大であり,且つ技術体系の確立に長期間を要する基盤的技術についての研究開発を推進することとしているが,これら諸制度を活用し自主技術の確立を図ることが必要である。


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