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第1部   世界の中で
第4章  我が国科学技術の今後の課題
4.  学界,産業界,政府の有機的連携の強化


我が国の科学技術の研究は,これまで大学においては基礎研究を重点に,国立試験研究機関においては応用研究を重点に,民間では企業化開発のための研究を重点にというように,それぞれの役割に応じて進められてきた。

この役割は今後とも基本的に変わることはないが,今日の科学技術は第3章の例にも見られるように,世界的に巨大化,総合化される傾向にあり,個々の企業や研究機関のみでは対応することが次第に困難になりつつあり,将来の日本を支える新たな科学技術の創出を効率的に行うため,組織の枠を越えた産・官・学の有機的協力・連携が不可欠となってきている。

第2章で紹介したように,先進諸外国においても近年の経済成長の鈍化による研究資金の制約及び研究開発の大規模化に対応すべく,民間企業と国の研究機関,大学が共同で研究プロジェクトに取組むなど,産・官・学の有機的連携を図っている。

我が国の場合,縦割りの社会構造,終身雇用制の影響などから,諸外国と比べて研究者自体の流動性が乏しく,また第1章第1-1-10図に見られるように,研究資金の流れが産業,政府,大学各セクション内部でそれぞれ完結する傾向が強い。

これらに関し,閣僚連絡会議では,学界,産業界,政府それぞれの適切な役割分担の下でその頭脳,技術,活力等を結集し,共同研究の推進等その有機的連携を強化する必要がある。このため,必要に応じ,人材の流動的な交流により研究を進めるほか,関係研究部門間で連絡を密にする等意思の疎通を図るよう配慮することが望まれる。

と述べている。

政府としても従来から,科学技術情報の全国的な流通を促進する体制の整備,大学,国立研究機関等でなされた研究成果の企業化促進,国立研究所における流動研究員制度や特殊法人を通じての人材の交流などを通じて産・官・学の連携の推進に努めてきたが,その一層の強化充実のための一つの方策として,前述の科学技術振興調整費活用の一環として科学技術会議における検討をへて,科学技術庁では昭和56年度からは産・官・学の優秀な研究者を結集し,将来の革新技術の芽(シーズ)の探索を行う「創造科学技術推進構想」を実施することとしている。

また,総額約1兆1千億円を投じて建設された筑波研究学園都市は,昭和54年度をもって予定された43の試験研究機関,大学の移転を終え,さらに周辺に民間の研究機関の誘致も進んでおり,今後世界的にもユニークな産・官・学の研究団地としてその成果が期待されている。


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