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第1部   世界の中で
第3章  重要研究開発の国際比較
第1節  エネルギー関連技術
2.  その他のエネルギー


原子力以外のエネルギーに関する研究は,オイルショック以降に研究開発が活発化してきた分野であり,エネルギー源の多様化を図る観点から,今後重要となってくる分野である。この分野には石炭,太陽,地熱,海洋,風力,バイオマス 注) ,水素等がある。ここでは,石炭,太陽,地熱の研究開発についてみることとする。


注)バイオマス(biomass)は生物量とか生物資源と訳され,生物の全体量をさすが,近年エネルギー分野においては,これを燃料に転換して利用する方法が注目されている。

第1-3-3図 ●臨界試験を狙う大型トカマク装置


(1) 石炭

石炭は,石油あるいは天然ガスより埋蔵量が豊富であり,また地域的にも偏在しておらず,主要先進国でも米国,ソ連はもちろんのことイギリス,西ドイツも世界有数の石炭資源保有国となっている。このため,各国は石油に代わる有力なエネルギー源として石炭を有望視しているが,石炭が石油などの流体エネルギーに比べて取り扱い上不便な点が多く,また,燃焼に伴う硫黄酸化物,窒素酸化物,ばいじん等の発生量が多く,貯蔵,運搬に伴い粉じんが飛散するなどの環境保全上の問題点があるため,使用の簡便性と公害防止の観点から,新しい技術として石炭の液化・ガス化の研究を進めている。

第1-3-4図 ●トカマク型閉じ込め性能の進展

第1-3-5図 世界各国における核融合研究開発長期計画

この分野においては,西ドイツは戦前からの技術の蓄積があり,また,米国においても,その資金力,組織力,人材で強力に研究を推進している。

この分野の研究予算を 第1-3-1表 についてみると,米国,西ドイツが大きく,続いてイギリス,日本の順となっている。

開発状況についてみると,石炭液化については米国,日本,西ドイツ,イギリスがプラント運転中であり,石炭ガス化については西ドイツ,米国でプラント運転中,日本ではプラント建設中である。


(2) 太陽

地球が受ける太陽エネルギーは膨大であり,地域における制約も少ないが,密度は低い。このエネルギーを本格的に利用するには技術的経済的に課題が多いが,現在,既に太陽熱冷暖房・給湯などについては実用化段階に達している。太陽熱発電及び光エネルギーを電気エネルギーに変えて利用する太陽光発電などについては,実用化のための研究が進められている。この他住宅構造そのものを改良することにより太陽エネルギーを無動力で活用するパッシブ・ソーラーシステムの開発が望まれている。

この分野の研究予算を 第1-3-1表 についてみると,米国が群を抜いて大きく,続いて西ドイツ,日本,イギリスの順となっている。開発状況について太陽熱発電についてみると,日本が1,000kWの発電所を建設中,米国,フランスが1万kWの発電所を設計中である (第1-3-2表)


(3) 地熱

地熱エネルギーの研究は発電利用を中心としており,天然蒸気を利用する方法,地下の熱水を利用する方法,及び地下深部の高温岩体の保有する熱エネルギーを利用する方法等について研究が進められている。

この分野の研究予算を 第1-3-1表 についてみると,米国が群を抜いて大きく,続いて日本,西ドイツ,イギリスの順となっている。

我が国は火山国であり,地熱エネルギーは,純国産のエネルギーとして意義は大きい。

第1-3-2表 主要国の新エネルギ―技術開発状況

開発状況についてみると,熱水利用発電については,日本が1,000kW級バイナリーテストプラントの運転を行い,その結果を踏まえて1万kW級のプラント開発研究中であり,また,米国は1万kW級のプラント運転中である。高温岩体発電については,米国において熱出力2〜5万kW規模の開発を目ざして日米独が共同研究を実施中である。 (第1-3-2表)

以上のように各国において,エネルギーに関する研究が積極的に推進されているが,我が国においては,昭和55年11月に,昭和65年度までに開発及び導入を行うべき石油代替エネルギーの種類及びその種類ごとの供給数量の目標を閣議決定し,石油代替エネルギーの主力は原子力,石炭及び天然ガスが担うこととなっている。

政府は,このような石油代替エネルギーの開発の重要性に鑑み,21世紀までを展望して今後おおむね10年間に政府が中心となって推進する「エネルギー研究開発基本計画」を定め,原子力をはじめとし,化石エネルギー,自然エネルギー,エネルギー有効利用に関する研究開発を総合的,計画的に推進することとしている。

また,昭和55年度から石油代替エネルギー関係予算が拡充され,石炭液化,太陽光・熱発電等の原子力以外の石油代替エネルギー技術にかかわる予算も大幅な拡充をみており,さらに原子力以外の石油代替エネルギーの開発等の促進のために必要な業務を総合的に行うことを目的とする新エネルギー総合開発機構が設立された。


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