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第1部   世界の中で
第2章  主要先進国の科学技術振興施策
第6節  日本
3.  研究費


我が国の研究費は第1章でみたように,米国,ソ連に次いで世界第3位に位置し,また国全体の研究投資水準を示す指標の一つである総研究費の国民所得に占める割合も昭和54年度には2.29%で,西ドイツ(2.65%)(1978年),米国(2.50%:推定)(1979年)に次いでいる。我が国では昭和35年に科学技術会議が我が国全体の研究投資の目標を国民所得の2%とし,その後その目標を2.5%に引き上げるとともに長期的には3%を目標とすることとなった。

政府,民間あげての研究投資充実に努めた結果,昭和46年にそれまで1%台であった研究費の対国民所得比が初めて2%に達した。その後は昭和47年から昭和53年までの7年間2.0〜2.1%台の横ばい状況が続いたものの,昭和54年度には2.29%と上昇し科学技術会議が当面の目標とした2.5%に近づくこととなった。昭和54年8月に閣議決定された「新経済社会7ヵ年計画」も,国民所得の3%を目指して昭和60年度までの計画期間中にその比率を極力高めることが望ましいとしており,我が国においては研究費の充実を図るため対国民所得比3%の目標を目指した努力が続けられている。


注)特別研究促進調整費は昭和56年度から発展的に解消し,新たに科学技術振興調整費が計上された。

また,これらの研究費を官・民いずれがどの程度負担しているかについてみると,第1章で明らかにしたように,我が国の場合,政府が約3割,民間が約7割を負担しており,研究費についてみれば民間主導型といえる。この国際比較については,第1章でも述べたように租税負担率,国防研究費等の差異もあり,単純には比較できないが,我が国は米国をはじめ主要先進国における政府と民間の負担割合がほぼ5:5であることとは大きく異っており,我が国の特徴の一つであるといえる。

我が国の科学技術関係の予算は昭和55年度は約1兆3千億円で政府の全予算(一般会計予算)に占める割合は3%であり,この割合はここ数年変化していない。このような状況のなかで政府は先の「新経済社会7ヵ年計画」において基本的には国の投資努力を一層強化するとともに,政府が中心となって行う研究開発投資については,その重点的配分と効率的使用に配慮しつつ一層充実させるほか,新エネギルー等の大規模な研究開発の推進に必要な資金等,急増する資金・需要に応えるための方策につき,その研究開発の成果によって利益を受ける者や,その研究開発の必要性を生じさせる者に一部を負担させるなどの新しい確保方策の導入の可否を含め早急に検討することとしている。また,国の研究費は主として国立試験研究機関,国立大学等国の機関における研究に使用されているが,一部は補助金,委託費等の形で民間にも支出されている。しかし我が国の場合,政府から民間への研究費の支出は第1章でみたように主要先進国に比較して非常に少なく,民間は主として自己負担の研究費でもって研究を行っている。このように我が国の研究費の主要部分を占める民間の研究開発投資が停滞しないよう国は,補助金の他,増加試験研究費の税額控除制度等の税制による助成,日本開発銀行の技術振興融資制度等の金融による助成を行っているが,民間企業の研究開発投資に対するより一層のインセンティブを与えるため,適切な政府負担割合等に留意しつつその研究開発資金の充実を図ることとしている。


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