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第1部   世界の中で
第2章  主要先進国の科学技術振興施策
第4節  イギリス
2.  基礎研究


イギリスにおいては,教育制度のうえでも産業界と教育界とのつながりはある程度あるものの,両者の考え方の間には相当なひらきがある。

この理由としては次のことが考えられる。イギリスにおいては伝統的な考え方である,1)個人の特徴ある自由な考え方の重視,2)価値観の多様性に対する寛容と尊重,3)実証・実効による価値判断,などのうえにたって研究が進められており,特に数学や物理等の基礎科目の教育に力が注がれている。

そして,その結果として,創造と発見の分野においてイギリスは,世界をリードしている立場にあるとの自負や評価がある。例えば,セファロスポリンC系抗生物質,原子力発電,ジェットエンジン等の最初の実用化や科学関係のノーベル賞獲得数が挙げられる。

このようなことから,創造的能力を培う基礎研究に相応の資金を投入すべきであるとの議論はイギリスには根強い。

また科学は,学問の体系の中における一領域で,その応用分野として技術はあるとの考えがあって科学者に比べ技術者の社会的地位が低く,産業界の中での技術者という位置付けが余り魅力のあるものではないことも学生達の科学者志向に拍車をかけている。

このようにイギリスでは,産・官・学がそれぞれかなり独立した形で独自の行き方を示しており,技術突破型研究は得意であっても,その研究成果を新製品として工業化し,大量生産ラインまで行うプロセスの段階が不得意であるとの認識が高まっている。

このため,研究開発において産・官・学の連携の強化策として,1)関係機関相互間の人事交流などによる人材の活用,2)各種研究会議への学界,政府関係省庁の参加,3)企業と大学による養成訓練計画の共同策定,などが種々打ち出されている。


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