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第1部   世界の中で
第1章  世界の中での我が国の科学技術
第2節  先進国の中での我が国の科学技術
2.  科学技術への投入


ここでは科学技術発展の原動力となる科学技術への資金やマンパワーの投入について,その量,質及び内容といった局面から主要先進国間の比較を行い,我が国の特徴を明らかにしてみよう。

各国の1977年の研究費及び研究者数を比較してみると 第1-1-7図 のとおりである。我が国は研究費,研究者数ともに米国,ソ連の両大国に次いで世界第3位であるが,研究者1人当たりの研究費については,ソ連を除く各国に比べてまだ低い水準にある。

第1-1-7図 主要先進国の研究費及び研究者数(1977年)

1977年の各国の研究費と国民所得の関係は 第1-1-8図 に示すとおりで,西側主要先進国の研究費の対国民所得比はほぼ2%台であるが,我が国は米国,西ドイツ及びイギリスに比べ少々低目である。またソ連は著しく比率が高く,相当な費用を研究開発へ投入している。

なお,我が国の場合,1977年のGNPは国民所得の約1.2倍であるが,このGNPに対する研究費の比率をみてみると,米国2.33%,西ドイツ及びイギリス2.03%,フランス1.76%,日本1.71%であり,対国民所得比とほぼ同様の傾向にある。

第1-1-8図 主要先進国の研究費と国民所得(1977年)

各国研究費の政府負担割合については,租税負担率の差異もあり単純な比較は困難であるが, 第1-1-9図 によれば我が国の政府負担割合は他の主要先進国に比べて低く,研究開発の資金面で は民間主体となっている。また国防研究費が極端に少ないという我が国の特徴も明らかである。

第1-1-9図 研究費における政府負担割合(1977年)

研究費の負担割合及び使用割合並びにその間の資金の流れを図示したのが 第1-1-10図 である。これによれば各国の研究費の使用構造は似かよっているが,その負担構造は大きく異なっている。特に我が国の負担構造で特徴的なのは,産業の負担割合が大きく,政府の負担割合が小さいことである。

そして産業が使用する研究費について政府の負担をみてみると,やはりこれについても租税負担率の差異もあり単純な比較は困難であるが,我が国以外の各国はその約16〜35%を政府が負担しているのに対し,我が国の政府負担は約2%であり,国防研究費が少ないこともあって,5ヵ国中では最も低い比率となっている。

次に科学技術へ投入されるマンパワーについて詳しくみてみよう。

まず我が国の研究者数が多いのか少ないのかを人口比率で比べてみると 第1-1-11図 のとおりである。我が国の人口1万人当たりの研究者数は24人で,著しく多いソ連には及ばないもののほぼ米国と同水準にあり,ヨーロッパの各国に比べるとかなり多い。

こうした研究者を生み出す母体である高等教育修了者の専攻を比較すると 第1-1-12図 のとおりであり,我が国は自然科学系の占める割合がかなり大きく,その中でも工学系の占める割合が非常に大きくなっており,我が国の産業面の科学技術を支えているといえよう。

また研究者の質的な面の比較を行うために,その成果を映し出す一つの手だてと考えられるノーベル賞を受賞した科学者数を比べてみると, 第1-1-13図 に示すように,各主要先進国に比べて我が国の受賞者数はかなり少ない。

以上のように主要先進国に比べても,我が国の科学技術への投入は,資金面,マンパワーの面で相当大きくなっているが,資金面では経済力に比べていま一歩といったところにあり,政府の負担及び政府から産業への支出が少ない。

第1-1-10図 研究費の負担割合及び使用割合

第1-1-11図 人口1万人当たりの研究者数(1977年)

第1-1-12図 高等教育修了者の構成

第1-1-13図 ノーベル賞受賞科学者数

またマンパワーの面では必ずしも不足とはいえないが,幾分工学系が多くなっており,その質的な面をみると,個人として世界的に優れた業績を上げた例が少ない。


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