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第1部   世界の中で
第1章  世界の中での我が国の科学技術
第2節  先進国の中での我が国の科学技術
1.  科学技術の総合力


科学技術の総合力のとらえ方には様々な見方があるが,ここでは現状の生産力に寄与する科学技術の力を技術力とし,将来の新製品,新技術を自主的に開発する能力を技術開発力として,これらにより科学技術の総合力を推し量ってみることとする。

一国の技術力及び技術開発力を表わすと考えられる指標としては種々のものが考えられるが,その中でも比較的各国比較が行いやすい次の八つの指標を取り上げてみることとする。

1) 特許の登録件数
2) 技術貿易額(技術輸入額と技術輸出額の合計)
3) 技術集約製品の輸出額
4) 製造業の総付加価値額
5) 研究費
6) 研究者数
7) 特許の対外国登録件数
8) 技術輸出額

これら八つの指標を取り上げたのは,1)〜3)はその国の技術力が直接反映する指標であり,4)は技術力を有効に生かす産業基盤の大きさを表わす指標である。また5),6)はその国の技術開発力の基礎となる科学技術への投入を表わす指標であり,7),8)は技術開発力を成果の面からとらえる指標と位置付けられるからである。

この八つの指標を用いて,日本,米国,西ドイツ,フランス及びイギリスの5ヵ国を比較するために,各指標について5ヵ国合計を100とした時の各国の指数を国別に図示したのが 第1-1-5図 であり,その形状,大きさ(中心からの距離)等が各国の科学技術の特徴を表わしている。特に図の上半分の大きさは現在各国が保有している技術力の大きさ,そして下半分の大きさは同じく技術開発力の大きさの傾向を示している。

同図によれば,米国と他の4ヵカ国との間には著しい差があり,唯一技術集約製品の輸出額のみ西ドイツが米国を上回るようになっている。

しかし1960年代後半と1970年代後半のデータを比較してみると,日本,西ドイツ及びフランスが着実に力をつけていることが明らかであり,特に我が国の伸びは著しい。一方米国はこれらの国々の追い上げにより相対的な力が低下しており,イギリスは停滞ないし低下の傾向にある。

形状についてみると,日本及び西ドイツは図の左側が大きく,これと対照的にフランスは図の右側が大きい。これは,相対的に,前者が特許に強く技術貿易に弱いこと,逆に後者が特許に弱く技術貿易に強いことをよく表わしている。米国及びイギリスは左右のバランスがとれている。

図の上半分と下半分の大きさでは,日本及び西ドイツが頭でっかちなのに対し,米国は下半分が大きく安定感がある。日本及び西ドイツは技術力ではかなり米国に追いついてきたものの,技術開発力ではまだ米国と大きな差があることがわかる。フランス及びイギリスは上下のバランスがとれている。

次にこれらの技術力,技術開発力を総合的に評価するため,各国の指数データについて,1)〜4)を単純平均して技術力を求め,さらにこの技術力,科学技術への投入(5),6))及び技術開発力の成果(7),8))を単純平均して技術開発力を求め, 第1-1-6図 に5ヵ国合計を100とした時の各国構成比で示した(詳細については 付属資料1 を参照のこと。)。

同国によれば,技術力及び技術開発力において我が国が飛躍的に伸びたこと,米国は相対的に低下したものの,技術開発力においてはなおも他の4ヵ国の合計に匹敵するほど強いことが明らかである。

また同じ時期の我が国のGNPの伸びと技術力,技術開発力の伸びを比較してみるとほぼ同程度となっている。

このように我が国の科学技術の総合力は,かなり急速に伸びて西ドイツに比肩しうるところにまでなったが,米国との間にはまだ大きな隔たりがある。

第1-1-5図 科学技術の総合力を示す各種指標


第1-1-6図 技術力,技術開発力及びGNP


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