ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
6.  特許制度の改善


近年,工業所有権制度は特許協力条約(PCT),国際特許分類(IPC)に関するストラスブール協定,商標登録条約(TRT)等国際化の進展に著しいものがある。

我が国は,こうした国際的動向に積極的に対応してきたところであるが,工業所有権の出願件数は近年の急速な技術革新の進展,商品デザインの多様化等の原因により,おおむね増加の一途をたどり,また,技術内容の高度化,システム化,細分化及び審査資料の累積は審査負担を増大させている。

特許協力条約(PCT)は,従来の各国別の審査という体制に対し,単一の国際出願,国際調査機関での調査等によって,国際的な特許の取得を容易にすることを目的として1970年6月に締結され,同条約は1978年1月に発効している。我が国は,昭和53年7月に批准書の寄託を済ませ,53年4月に国内法の改正が国会で可決され,政省令の整備も53年7月に完了し53年10月より実際の効力を生じ,54年8月にはPCTに基づき,我が国を指定国として外国で国際出願された発明の内容を公表する「公表特許公報」の第1号が発行され順調なスタートをした。

国際特許分類(IPC)に関するストラスブール協定は,締約国が特許,実用新案等につき共通の分類を採用することにより,特許文献の整理等における国際協力を確立することを目的として,1971年に採択されたものであり,1975年10月に発効している。我が国は昭和51年8月に批准書の寄託を済ませ,52年8月18日から効力を生じている。国内審査体制も53年10月よりIPCに合わせて再編成し,55年1月から特許分類のIPC一本化が行われた。

微生物の寄託に関するブダペスト条約は,複数国へ出願する場合の微生物の寄託をーか所への寄託で済ませることを目的として1977年4月にブダペストの外交会議で採択された。現在各国も批准のため準備中と伝えられており,我が国は,微生物工業の分野において世界のトップレベルにあり,同条約への加盟により,我が国出願人にひ益するところも大きいと考えられること等から速やかに同条約への加入の準備を進めている。

また,開発途上国に対する技術移転問題の一環として,パリ条約を基礎とする現在の国際特許制度を再検討すべきことが従来から国連,UNCTAD等の場において問題提起されていた。このような背景のもとで,インドの提案を受け1975年2月以来政府専門家会合,政府間準備委員会等が開催されてきており,1980年の2月には条約改正外交会議が開催された。

他方,技術開発の活発な分野について,特許からみた技術動向調査を行ってきたが,昭和54年度は,工業生産住宅技術,多層印刷配線技術,電子時計,廃油処理技術,固着及び積層体技術の分野について行われた。

また,最近エネルギー関連技術の研究開発体制を援助するために,エネルギー関連に対する優先審査制度を採用することを検討中である。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ