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第3部   政府の施策
第3章  民間などに対する助成等
2.  新技術の委託開発とあっせん


今日の世界的な技術革新の停滞傾向の中で海外からの技術導入の困難化,企業における研究開発への投資の停滞等が問題となっている。このため,政府の研究活動等において,危険負担を伴った積極的な技術開発の推進,研究投資の重複を避け効率的な研究開発を図るための技術移転の促進等の施策が要請されており,技術移転については,その重要性にかんがみ,科学技術会議振興部会において,技術移転推進方策の調査・審議が進められている。

一般に自ら技術開発を行う場合には常に失敗の危険がつきまとい,特に高度な技術ほどこの危険は大きく,ややもすれば新しい技術の開発に消極的となりやすい。このため,新技術開発事業団では,優れた技術で実用化にあたり大きな困難が予想されるものについて,これを企業化し得るものとするため,成功払いを条件として企業に開発費を交付する委託開発制度が設けられている。また委託開発の結果得られた成果が産業界において広く実施されるよう,開発成果の普及活動を行っている。また,同事業団では,新技術の開発あっせん制度により技術移転活動を行っているが,従来主として対象としてきた国有の特許に加えて新たに企業等の所有する未利用特許などを対象とし,効果的な技術移転活動を行っている。

さらに,企業等のニーズを広く収集し,それにこたえる新技術を積極的に技術移転していくニーズ指向に立脚した技術移転活動の強化を図るとともに,海外に対しては,企業から海外あっせん可能な技術を募集し,これを英文紹介誌により紹介し,海外に対する技術のあっせんを行っている。

昭和54年度末現在までの委託開発,開発のあっせんの結果をみると,委託開発は開発成功課題120件(88%),不成功17件(12%)となっており,54年度において,「高級2塩基酸エステルの合成技術」,「微粒子解析装置の製造技術」,「電解有機合成法によるマルトール類の製造技術」など8件の技術開発に成功したほか,新たに「副性フェライトによる磁気標識システム」,「金属水素化物を用いた冷暖房システム」,「ヒト白血球由来細胞によるインターフェロン製剤の開発」など12件の技術開発に着手した。

なお,同事業団では,昭和52年度より地方産業の振興に貢献する地方新技術の開発を推進することとしている。

開発のあっせんは,あっせん成立課題119件(173社)となっており,昭和54年度においては,「ウロキナーゼの製造法」,「シリコン放射線検出器」など,24件(31社)のあっせんが成立した。

第3-3-4表 委託開発及び開発のあっせんの状況

同事業団の委託開発及び開発のあっせんの状況は, 第3-3-4表 のとおりであり,件数的にはそれほど増加しているとはいえないが,近年,資源エネルギー,福祉等の分野での技術開発の要請が増大していること,安定成長期における企業の研究活動の停滞傾向からみて,国・公立試験研究機関,大学等における技術の民間への移転を一層促進する必要があること,技術開発の大型化,システム化により開発規模が増大していることなどから同事業団の役割に対する要請は大きくなっている。

なお,特に中小企業を対象としたものとしては,中小企業振興事業団においても,技術導入,あっせん事業を実施するとともに,昭和53年度より公設試験研究機関の有する中小企業に適した試験研究成果の企業化開発を行う新技術実証事業を行っている。


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