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第1部   時代を拓く科学技術
第2章  1980年代科学技術発展の展望
第3節  科学技術推進上の必要事項
1.  科学技術推進にあたっての国民の理解と協力


近年,国民生活や産業活動の高度化に伴って,科学技術が国民生活に影響を与えるところが大きくなってきている。このため,科学技術活動の円滑な推進を図るためには,国民の理解と協力を得ながら進めることが極めて重要な課題となっている。

特に,最近の科学技術は,複雑化,高度化の度を高め,国民にとって理解しにくいものが増え,また,既存の手段とはギャップの大きい新しい生産手段や生活手段が登場してくること等に伴って,国民の理解と協力を得ることがより難しくなってきている。

しかしながら,我が国が産業技術の高度化及び国民生活の高度化を図り,より豊かな社会を築いていくためには,科学技術の発展を図っていくことが不可欠であることから,国民が科学技術の果たす役割と限界,利便性,影響等について客観的な認識を持ち,科学技術を推進する側も国民にわかり易い形で解説し,あるいは効用と影響の評価の上に立ち,国民の十分な理解と協力を得るよう努力していくことが必要である。更に,ものごとを科学的合理的に判断する能力をかん養する観点から,次代を担う青少年に対する働きかけや国民一般に対する広報活動の強化が重要である。

これらによって,人々が科学技術に対する意識を高め,科学技術に対する限界とその特殊性を十分に理解することが期待される。

以上述べてきた科学技術の国民に対する普及啓発活動の一環として,また,21世紀を展望し,人類の豊かな生活を創造する科学技術に焦点をあてた国際科学技術博覧会を,1985年に茨城県の筑波研究学園都市で開催する予定である。

このような国際科学技術博覧会が開催されると次のような科学技術振興上の効果があるものと考えられる。第1に同博覧会が21世紀を創造する科学技術のビジョンを示すことによって,科学技術に対する国民の理解が深まる。第2に特に青少年に未来の科学技術を正しく理解させることができ,優秀な人材を科学技術の分野に向かわせるなど,人材の養成が図られる。第3に筑波研究学園都市において同博覧会が開催されることにより,同都市の機能の充実が図られ,また国際的な科学技術交流の場を設けることにより,同都市が科学技術の推進,普及啓発,国際交流の中心となるなど同都市の総合的研究開発体制の整備が図られる。第4に我が国は,言語上の問題等から,研究開発成果等が十分に紹介されていないが,同博覧会において,我が国の21世紀の生活を創造する科学技術の成果を広く展示,紹介することにより,その成果を海外に紹介,普及することができる。

このように,国際科学技術博覧会の開催は,国民の科学技術に対する理解を深める上で,また80年代以降の科学技術を推進する上で大きな期待がかけられている。


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