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第1部   時代を拓く科学技術
第2章  1980年代科学技術発展の展望
第3節  科学技術推進上の必要事項


第1節においては,今後重要とされる科学技術分野をあげ,第2節においてそれらの中からいくつかの例を取り上げ紹介した。これらの例にもみられる通り,科学技術は,国民及び社会の側からのニーズを充足していくだけではなく,進んで新しい可能性を切り開き,未来を創造するための先導的な役割を果たすものである。

このような重大な役割を持つ科学技術の今後の推進にあたっては,以下のような事項が必要とされる。

第1に,科学技術全体の発展基盤を強化し,21世紀までを見通した科学技術の新たな飛躍をもたらす技術革新の種(シーズ)を発掘し,育成するために,基礎研究を充実するとともに,その成果を効果的に実用化へ結びつけていくことが必要である。

第2に,我が国の技術開発において今後とも主体となる民間部門における技術開発については,その進展段階に応じたきめ細かい誘導助成策を講じ,その育成を図るとともに,企業化に際してのリスク軽減にも特に配慮する必要がある。

第3に,民間企業の研究開発投資に対する一層のインセンティブを与えるため,適切な政府負担割合等に留意しつつ,その研究開発資金の充実を図り,政府が中心となって行う研究開発投資については,その重点的配分と効率的使用に配慮しつつ一層充実させる必要がある。

第4に,今後の科学技術推進のためには,創造性のある人材や,総合性に富む人材の育成が必要であり,また,これらの人材を弾力的に配置するため,官・学・民の人材の流動化を促進する必要がある。

第5に,地方における科学技術活動については,農林水産業,中小企業等の地場産業の育成,地域開発,環境保全等に関連する地域に密着した研究開発の推進が要請されている。更に地方独自の歴史,風土などを背景とした価値観やニーズに対応し,地方における種々の行政目的を達成する手段として,科学技術の手法や知見を役立てることが一層必要となってきている。

第6に,国民生活の向上を図って行くためにも,また,我が国経済が内外環境条件の変化に対応して長期的な発展基盤を培養して行く上でも,科学技術の役割はますます大きくなっており,国民の理解と協力を得つつその振興を図ることが重要である。

第7に,新エネルギー等の大規模な技術開発等に関する先進国間の研究協力を促進するとともに,開発途上国に対し,人材の養成を含めた効果的な科学技術協力を積極的に推進する必要がある。

以上,今後の科学技術推進上必要とされる事項を挙げてきたが,以下においてはこのうち今後の科学技術推進にあたって,最近特に重要性が高まっている国民の理解と国際間における科学技術協力について述べる。


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